ビジネス

2020.01.21

コンコードは次のテックハブになれるか イーストベイ「再興」の試金石

Tudoran Andrei / Shuttertsock.com


労組側との賃金交渉がネックに

コンコード生まれの起業家で、最近ハワイに拠点を移したフランク・テートは、市にとってこれは千載一遇のチャンスだとみている。「コンコードは次のブームの拠点として申し分のない場所です。イーストベイは素晴らしい労働力に恵まれていますが、人々は毎日、地元から何時間もかけて出勤しなくてはなりません。しかし、このプロジェクトが実現すれば、そうした長時間の通勤にわずらわされなくなります」

プロジェクトは雇用や住宅、税収を生み出すとみられるだけに、多くの人がその先行きに関心を寄せている。だが、実際にうまくいくかどうかは不透明なのが実情だ。

カリフォルニア州では一般に開発プロジェクトには時間がかかり、またこのプロジェクトに関しては、議員5人のコンコード市議会が決定権を握っていることも進捗を妨げているとの見方がある。いずれにせよ最終的なハードルは、プロジェクトの賃金をサンフランシスコの賃金と連動させるように求めている地元労働組合の同意を得ることだ。開発業者側は労組側の条件に応じればプロジェクト全体の採算が合わなくなるとしており、市議会側も同じ見方だと伝えられる。

市議会はプロジェクトを進めるかどうかの重要な投票を1月第2週に行う予定(編注:報道によると、8日の採決では最終的な結論は持ち越され、労組側と業者側に交渉の行き詰まりを打開するよう促すにとどまった)。仮にファイブポイントがプロジェクトから降りることになれば、新たな開発業者が見つかるまでにさらに5〜10年かかる恐れがある。

編集=江戸伸禎

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