ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信

corgarashu / Shutterstock.com

ラスベガスで、裁判所の裁判長が、被告席に座らされるという珍しいケースが起こった。日本で言えば家庭裁判所の裁判長を務めているこの人物は、メラニー・トビアッソンという女性で、コンプライアンス違反で釈明を求められている。

この裁判長は、自分の法廷で過激で汚い言葉を使うことが常態化しており、法廷に出入りする市民に対して脅威をもたらしているというのが、証人喚問の理由だ。ネバダ州北部のリノから送られたネバダ法務省の特別検察官が、裁判長を厳しく追及しており、公聴会はまさに法廷と変わらない態様だ。

三権分立という趣旨から、アメリカの法廷内の実務については、それぞれの裁判長にかなりの裁量が与えられる。例えば、原告側と被告側が座る席の位置も、裁判長の判断で、右側か左側か自由に変えられる。裁判長によっては、冒頭陳述や最終弁論に時間制限を加え、ストップウォッチを使う人もいる。

罵声は認めつつも正当性を主張

今回のラスベガスの裁判長は、機嫌が悪くなるとまわりを罵り、自分の法廷書記官をクビにしたことがきっかけとなって、恐怖政治の法廷運営だとして、公聴会へと発展したのだ。証拠として、裁判長が裁判所内で過激な文字が書かれたTシャツを着ている写真も提出されている。

そのTシャツの写真はネットでも拡散しているが、青いシャツには「Eat shit, Die」(直訳すると「クソを食らって死ね」)とあり、法廷内では黒い法衣で隠れるとはいえ、裁判長が裁判所の建物内で着る服としてはいかがなものかなと驚くしかない。

裁判長のほうは、自分の言葉遣いや服装が、(本番の)法廷審理に不適切や不公平をもたらしているとは思わないと反論してはいるが、自分が法廷内で発してきた多くの罵声については認めている。

しかし、法廷での言動や書記官の採用や解雇については、裁判長の裁量は広く認められたものだと正当性を主張し、本件は、裁判でうまくいかなかった弁護士たちが主導した、「赤狩り」のような行為だと徹底抗戦の構えだ。

文=長野慶太

この著者の記事一覧へ

PICK UP

あなたにおすすめ

合わせて読みたい