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2020.01.21 15:00

裁判長の証人喚問も 問題続出なアメリカ法曹界のリアル


裁判は、裁判長だけで評決する場合もあれば、陪審員が評決を下す場合もある。しかし、証拠の採用や排除については、裁判長の判断にのみ頼ることになり、これが評決を大きく左右することになる。

そして、その判断は、控訴されたときに、上級審の裁判官に正当性を吟味されることになる。なので、できればカメラを法廷に持ち込ませたくないのが裁判官の本音だ。

日本では、元裁判官の井上薫氏が自著で、異常ともいえる密室プロセスによって、無実でも有罪になる「刑事裁判有罪率99.9%」をつくり出していると、日本の裁判システムを批判し、真の公開裁判を主張している。

もちろん、公判は傍聴できるが、公判は全体の一部でしかなく、裁判に至るまでの準備段階で、密室の判断事項が多く、証拠の採用や排除や、証人のかわりに供述調書で済ませてしまうため、裁判長の強すぎる裁量にも、井上氏は警鐘を鳴らしている。

地方検察裁判所の傍聴席は席数が限られており、また平日に行われる裁判を傍聴できる国民は極めて限られているということから、今後はカメラが入り、それを司法ウォッチャーがユーチューブに上げるということがあれば、さらにバランスが取れ、公正な裁判がなされるかもしれない。

連載:ラスベガス発 U.S.A.スプリット通信
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文=長野慶太

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