年末年始で増えた体重、カフェインで何とかなる?

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ということで、マテ茶はかなりよさそうだ。この研究では有益な情報が得られており、今後の研究への道が開かれたと言っていいだろう。たしかに、カフェインが体重減少に効果的である可能性があるという結論は説得力がある。なにしろ、カフェインは刺激剤だ。異なる代謝過程にも影響を与えると見られている。

たとえば、筆者が2019年6月に米Forbesで紹介した研究では、マウスの幹細胞(人間のものではない)から脂肪細胞を培養してカフェインに暴露したところ、褐色脂肪細胞の活動が促進され、より多くの脂肪が燃焼したことが確認されている。

ただし忘れてならないのは、これはすべてマウスによる実験結果だということだ。人間とげっ歯動物にはかなりの相違点がある。単に体の大きさが違うだけではない。げっ歯類は、生理的な面でも、睡眠や身体活動といった行動面でも人間とは違うし、彼らにはリアリティ番組を見る習慣もない。さらに、実験室でうまくいったからといって、必ずしも現実の世界で同様の働きを見せるとは限らない。

また、短期的に体重を落とすことと、健康的に体重を減らしてそれを維持することのあいだには、大きな違いがある。短期間で体重を落とす方法は、健康を気にしないのであればいくらでもある。たとえば、クラックコカイン(吸引できる結晶状のコカイン)は、体重減少に効果的だ。しかし、そうしたやり方にはいくつかの問題が生じるだろう。

数週間や数カ月で痩せられると謳うダイエット法は、すべて疑ってかかるべきだ。そうした方法を試すと、長期的にどのような影響があるのか、そして、体重が減った後にそれを維持できるのかどうかを訊ねたほうがいい。

ということで、クリスマスにフルーツケーキやエッグノッグを口にした分を燃焼できるのはないかと考えて、コーヒーやマテ茶をがぶ飲みしてはいけない。体重管理で重要なのはやはり、節度を守ること、バランスのいい食生活を送ること、加工度の高い食品を避けること、運動することだ。ダイエットの近道や、体重が減る魔法の薬があるのではないかと期待するのはやめよう。残念ながら、人生はそんなにラクではない。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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