「イノベーティブ」と「サステナブル」を両立するデニム|紳士淑女の嗜み

「ジースター ロゥ」のデニム

Forbes JAPAN本誌で連載中の『紳士淑女の嗜み』。ファッションディレクターの森岡弘とベテラン編集者の小暮昌弘が「紳士淑女が持つべきアイテム」を語る。今回は1月号(11月25日発売)より、「ジースター ロゥ」のデニムをピックアップ。


森岡 弘(以下、森岡):今回取り上げるのはオランダのアムステルダム生まれのデニムブランド、ジースター ロゥです。

小暮昌弘(以下、小暮):この連載で、ジーンズやデニムブランドを紹介するのは初めてですね。

森岡:ブランドのコンセプトが「オーセンティック」「クラフツマンシップ」「イノベーティブ」「サステナブル」の4つです。“デザイン”と“機能”の両面を兼ね備え、誰にとってもはき心地がよく、時を超えても愛されるデザインと、自然環境や社会に及ぼす影響を考えながら、デニムに新風を吹き込んでいるブランドです。

小暮:もう20年近く前ですか、オランダに取材に行ったことがあります。現地でオランダの人がデザインに深い思い入れがあることを知りました。1990年代にオランダで登場した「ドローグデザイン」のようにデザイン活動がとても盛んな国がオランダです。ジースター ロゥもそうした国民性が反映されているのでは。

森岡:ジースター ロゥの「ロゥ」は実はRAWデニム=生デニムという意味です。ストーンウォッシュが主流だった90年代に、未加工ジーンズ(生デニム)を発表し、特殊な防縮加工を施すことで、それまでのジーンズによく見られた“ねじれ”や“縮み”を解消した生デニムを誕生させたのです。

小暮:デニムの「オーセンティック」に、「イノベーティブ」な要素を加えたのですね。以前、ジースター ロゥの人気商品で、「エルウッド」というモデルを見せていただいたことがありますが、これはバイカーがはくモトクロスパンツから発想を得たモデルでしたね。

森岡:知っています。モトクロスパンツの立体的な膝の構造とワークウェアをミックスしたモデルで、人気になりました。実は今回紹介する2つのモデルとも、ジースター ロゥ独自の3D=立体裁断でつくられています。人間の体に自然にフィットする美しいシルエットを備えています。
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photograph by Masahiro Okamura | text by Masahiro Kogure fashion direction by Hiroshi Morioka | illustration by Bernd Schifferdecker edit by Akio Takashiro

この記事は 「Forbes JAPAN 1月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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