「イノベーティブ」と「サステナブル」を両立するデニム|紳士淑女の嗜み

「ジースター ロゥ」のデニム


小暮:「D-Staq 3D Slim Jeans」は、立体裁断にチノパンツの要素が合体したハイブリッドモデルですね。「5650 3D Relaxed Tapered」は、50~60年代のジャズミュージシャンがトランペットを吹く姿からインスパイアされた立体裁断ということです。このジーンズを見ると、マイルス・デイヴィスを思い出します。

森岡:前者はまさにカジュアル化したビジネススタイルにマッチしたデザインだと思います。後者のモデルは、デザインのルーツになった逸話自体がカッコいいですね。まさに大人がはくべきモデルだと思います。

小暮:どちらも脚長効果の高いスリムなシルエットで、ジャケットなどにも似合いそうなモデルですね。

森岡:シルエットを含めてデザインや裁断などで進歩的なことは言うまでもないのですが、ブランドのコンセプトのひとつである「サステナブル」の面でもジースター ロゥは積極的。

小暮:2018年にデニムブランドとして初めてグローバル環境認証である「クレイドル トゥ クレイドル(C2C認証)」で、ゴールド認証を得た“最もサステナブルなジーンズ”を発表していたと思います。

森岡:20年までに、商品や生産過程で使われる有害化学物質の排出量をゼロにすることを目標としているそうですよ。

小暮:それは素晴らしい。環境問題は21世紀の最重要事項です。

森岡:企業として、環境に対する思想というか、方向性やポリシーがきちんと定まっているのだと思います。

小暮:ある意味、ファッション以上に、プロダクトとして現代の社会にマッチすることを考えているのですね。そういうところもオランダらしいと言えるかもしれません。

森岡:そういったブランドのエシカルな姿勢に共感してこのデニムを身に着ける人も多いと思いますよ。

小暮:私もそう思います。


森岡 弘◎『メンズクラブ』にてファッションエディターの修業を積んだ後、1996年に独立。株式会社グローブを設立し、広告、雑誌、タレント、文化人、政治家、実業家などのスタイリングを行う。ファッションを中心に活躍の場を広げ、現在に至る。

小暮昌弘◎1957年生まれ。埼玉県出身。法政大学卒業。82年、株式会社婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。83年から『メンズクラブ』編集部へ。2006年から07年まで『メンズクラブ』編集長。09年よりフリーランスの編集者に。

photograph by Masahiro Okamura | text by Masahiro Kogure fashion direction by Hiroshi Morioka | illustration by Bernd Schifferdecker edit by Akio Takashiro

この記事は 「Forbes JAPAN 1月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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