24歳の天才が提案する「LiDARのサブスク」と自動運転の未来

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自動運転車向けのLiDARを開発する企業は多数あるが、その中でも最も洗練された技術を持つ1社である「Luminar(ルミナー)」は、自動運転車メーカー向けにプラグ・アンド・プレイ方式で、同社のテクノロジーを利用できるソフトウェアとコンピューティングシステムを提供すると発表した。

LiDARの量産を目指す同社は、より多くの実証実験に新システムが採用されるよう、サブスクリプション型のサービスを提供するという。

Luminarは1月上旬、ラスベガスで開催されたCESで新システム「Hydra」をLiDARと合わせて披露した。コンピューティングシステムはエヌビディア製SoC「Xavier」を搭載し、ソフトウェアはOTA(無線経由)でアップデートされる。

Luminarの創業者兼CEOである24歳のオースティン・ラッセルによると、同社のLiDARプラットフォーム「Iris」の場合、サブスクリプション価格は自動運転レベルに応じて月額500〜1000ドルだという。Hydraシステムをフルに利用した場合の価格は、車両1台当たりのセンサー数や、アプリケーションが高速道路を走行するための半自動運転か、都市部を走行するための完全自動運転かによって変動する。

LiDARは、2000年代初めに「ベロダイン(Velodyne)」が回転式製品を発売して以降、価格や耐久性、距離レンジ、データの品質などが改善課題となっていた。発売当初、ベロダインのトップエンドモデルは7万ドルもしたが、今年のCESで同社は100ドルの製品を発表し、他社の多くも技術革新や新たなアプローチをアピールした。

それでも、一般的にLiDARの価格は生産台数の少なさから数千ドル程度はし、車両に実装してカメラやレーダーなどのセンサーと統合するには、特別なソフトウェアが必要となる。

「製品を提供して終わりではなく、継続的なサポートや、顧客と手を携えた開発体制が重要となる」とラッセルは、ラスベガスでHydraのデモ走行を行いながら語った。

ロボタクシー実現には10年が必要

デモでは、Hydraシステムをメルセデス・ベンツのワゴン車に搭載して走行し、250メートル先までの車両やレーン、路面状況、物体などをリアルタイムでトラッキングし、大型のフラットパネルに様々な色を使った点群データが表示された。
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編集=上田裕資

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