地域経済とソーシャルイノベーション

齋藤潤一(筆者)と保井俊之氏

幸福を象徴する「笑顔」と生きるために欠かせない「お金」。この2つの言葉を大嫌いだという人は少ないはず。しかし、この2つのバランスが崩れると私たちはたやすく不幸になります。

私は米国シリコンバレーから帰国して、東日本大震災以降、地域にビジネスの仕組みを取り入れる事に注力してきました。実践の中で、「笑顔」と「お金」のバランスがとれた持続可能な地域をつくる方法を研究しています。

どうすればよりいっそう、「笑顔」と「お金」のバランスがとれた人生をすごせるのか。「幸せになるお金をデザインする4つの方法」を編み出した慶應大学招聘教授で、幸せになるお金のデザインを研究する保井俊之氏に話を聞きました。


──保井先生が考える「笑顔」と「お金」で幸せをデザインする方法を考え付いたのはいつ頃でしょうか。

「笑顔」と「お金」をデザインする法則に気づいたのは10年前です。大震災で地域に帰りたいという気運が生まれた時に、大学院で地域活性化について研究していた時期でした。

地域は、いくら質や味のいいものをつくっても農協が量で決まった値段で買ってしまうから、自分の頑張りが金銭的に認められず頑張る意味がないってがっかりすることがあります。そして、質と味の良いものは高い値のつく道の駅でがんばって売っています。都会は逆に、資本主義の仕組みが働いているけれど、「お金ばかりが生活じゃないのになあ」っていいながら消耗している人が多い。

田舎は「笑顔」があっても、「お金」が足りない。都会は「お金」があっても、「笑顔」が足りない。

どちらもバランス良くとりいれられたら、人々はもっとイキイキできるのに、と思ったんです。我々の生活の8割はお金を使うことで成立していますから、幸せになる上で「お金」との付き合い方は避けて通れません。だからこそ、お金を使うことでどう幸せを手に入れるかがものすごく大事になります。

幸せになるお金をデザインする4つの方法

──保井先生が考える「笑顔」と「お金」で幸せをデザインする方法を教えてください。

今は予備実験の段階ですが、幸せになるお金の使い方は4つあると考えています。

1つめは「明日のためにお金を使う」
2つめは「つながりを作るためにお金を使う」
3つめは「受け身で得た情報にお金を使わない」
4つめが「大きなお金と小さなお金を区別する」

この4つの機能を兼ね備えたお金をつくれば、幸せになるお金がデザインできます。これから4つの方法を実践するために具体的にどうしたらいいのかを説明します。

写真=二川 智南美

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