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地域経済とソーシャルイノベーション


1つめ「明日のためにつかうお金」は行動経済学の用語で、双曲割引という概念です。同じ価値が将来の時点と現在の時点でどのように等しいか比べます。

今日の100円と利子をつけて明日の110円があるとして、その時まで使うのを待って110円を待っていられる人と、手元にあると価値があるから100円を使ってしまう人、両方います。双曲割引が強い人は手元の100円を使いたい人です。

これを幸福学と結びつけると、双曲割引が強い人は幸福の概念と逆相関しています。つまり宵越しの金は持たないといっている人、明日まで待てない人は、不幸になる傾向があります。

自分や他人の将来に自信がないから、今使わないといたたまれない。逆にいうと、将来に向かって投資できる人、つまり明日を信じられる人は幸せです。

齋藤さんだってこゆ財団で1粒1000円のライチを育てて、収穫までに何カ月も待ちますが、そのために投資したと思います。それが信じられない人は、ライチなんかばかばかしくてパチンコとかに使ってしまいます。

──地域は、比較的自己投資に興味関心が高い人が少ない気がします

まさにそれは双曲割引の強い人です。お金がないから、今日使いたい。他人の将来まで含めて考えたら、投資したいものはあるはずです。それに自分で目覚めなくてはいけません。

目覚めると、自己実現とつながる。自己実現したいものがあるから将来に向かってそれにお金を使いましょう、となります。これが、2つめの「つながりを作るためにお金を使う」です。



プロソーシャルスペンディングの研究成果からも、お金を使うときには自分よりも他人に使う方が幸せだとわかっています。

また、モノとコトに使うならコトに使う方が幸せです。他人とつながるためにソーシャライズにお金を使うということは、自分よりも他人に使うし、モノよりもコトに使うのでダブルでハッピー。これは幸せになる早道だということが自明なんですが、それが裏づけられた。

写真=二川 智南美

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