持続可能な「ヴィーガン」スニーカーは、次のトレンドになるか

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ヒップホップファンのあいだでは、スニーカーの限定モデルが大きな話題だ。しかし、その次にブームとなりそうなのが、生分解が可能な素材でできた「ヴィーガン」スニーカーで、ブランドとファンの両方から熱い視線を集めている。ナイキやアディダスなどのスニーカー大手は、売上を伸ばすと同時に環境に配慮するべく、こうした「ヴィーガン」のスニーカー販売に乗り出している。

スニーカーマニアにとって何よりも肝心なのが、スニーカー市場の需要と供給だ。世界のスニーカー市場は2025年に1148億ドル(約12兆6172億円)まで成長すると見込まれているが、消費者は実際に、生分解が可能なスニーカーに興味があるのだろうか。

背景

環境保護に熱心な消費者だけでなく、動物性食品を一切食べない完全菜食主義に切り替える人(ヴィーガン)が増えつつあることで、ヴィーガンスニーカーのような環境に優しい製品の需要も急増している。ビジネスニュースサイト「カルチャーバンクス(CultureBanx)」は、ヒップホップアーティストをヴィーガンスニーカーへの流れに乗せることができれば、スニーカーブランドは勝利のカギを手に入れられるのではないかと指摘する。

ヒップホップアーティストたちは、かつては草の根運動を人目につかないかたちで支持していたが、いまでは間接的に宣伝したり陰の立役者として動いたりするようになった。ラッパーのカニエ・ウェスト(Kanye West)やドレイク(Drake)、ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)がナイキやアディダスとコラボしたスニーカーは消費者から大きな人気を集め、ビジネスとトレンドの両方を左右している。

米内務省のデータによると、同国では毎年3億足の靴が捨てられている。埋め立て場行きとなるスニーカーのパーツは、大半が生分解されないプラスチックや、石油を原料とした合成ゴム、レザーだ。それらが自然に完全生分解されるまでは最大で80年かかるとCNNビジネスは伝えている。

市場分析会社NPDが実施した調査では、持続可能な素材でできた靴であれば余分にお金を払ってもかまわないと答えた回答者は、およそ35%いた。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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