ビジネス

2020.01.17

「思いやり最強」説|SHOWROOM 前田裕二

SHOWROOMの代表取締役社長・前田裕二

アーティストやアイドルによるコンテンツ配信が無料で視聴でき、誰でもすぐに生配信が可能な“夢を叶える”ライブ配信プラットフォーム『SHOWROOM』。急成長する同サービスの運営会社SHOWROOMの代表取締役社長・前田裕二氏に、起業家としての心得や事業戦略についてドリームインキュベータの小縣拓馬が聞いた。(全6話)※本記事は2017年5月に実施したインタビュー内容を基に作成しております。

世界中の格差を均等化するのがSHOWROOMのミッション

──日系企業の海外展開、海外についてはどんな想いがありますか?

想いベースでいうと、日本発の世界一の企業になるというのは思い続けています。これはSHOWROOMとしてやらなければならないミッションという単位でもそうだし、SHOWROOMの事業理念も「世界中の格差をエンタメの力で均等化したい」という価値観に立脚しているので。

そして僕自身としても、小さい頃にいろんな逆境があった中で、どうやってその逆境、あるいは、一見逆境と見えることに対して、それをどうjustifyするかと考え続けてきました。あれは不幸なのではなくて、僕が世界を変えるために、マストで体験しておかないといけないことだったんだと、これは自分のミッションなんだと、正当化したいんですよね。自分で運命の正当化の旅をしてる。

そうした運命の正当化をするためには、僕らはやっぱり明確に、それは僕自身のエゴになっちゃうかもしれないですけど、世界一を取りたい。

SHOWROOMは、日本のライブストリーミング界でこそ、今の規模のプレゼンスを作れていますが、その先には、やっぱり世界一を取りたいですよね。

時価総額、マーケットキャップで語るのは拝金主義的で良くないよねって指摘を時折受けることもあるんですけど、それでもなお、僕らは資本主義社会に生きている中で、やっぱりマーケットキャップって大事だと思っていて。時価総額トップ企業を上から並べると、日本勢の姿が見えないっていうのは、純粋に悔しいです。生まれてから今まで、僕を育ててくれた日本、こんなに好きな日本が、ここまでボロ負けしているのは、心底、悔しいなって思う。その悔しさや苦しさをバネに、絶対に勝ってやると。強く、思っています。

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心の底から信頼できるローカルパートナーとの協業が鍵

──その上で課題になると考えていることはありますか?

課題として感じていることは、3つあります。

1つはパートナー探しですね。中国とかアジアは特にそうなんですけど、誰もかれもが嘘をついてるんじゃないかみたいに疑心暗鬼になっちゃうというか、性悪説に立って仕事をしなくちゃいけないみたいなところがあるかと思います。本当に信頼できるローカルパートナーを見つけるのが難しい。一見良さそうな人はたくさんいるんだけれども、どのタイミングで、信頼の太鼓判が押せるのか。ここが課題だと思ってます。
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文=小縣拓馬 提供元=Venture Navi powered by ドリームインキュベータ

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