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ナレンドラ・モディ首相 / Getty Images

見出しの読み間違いかと思った人もいるかもしれないが、そうではない。インドは今後5年で、毎年平均20の空港を新設することを目指している。

空港新設や、英国のヒースロー空港とガトウィック空港などでの滑走路増設を巡るお役所仕事についての知る人なら分かるだろうが、これほど急速な拡張は前代未聞だ。

英国の2大空港であるヒースローとガトウィックのどちらに追加の滑走路建設を許可するかを決定するまでには数年を要した。最終的にヒースロー空港が許可を得たが、建設完了までにはさらに9年かかる見通しだ。

反対活動の多くは環境団体が主導し、航空便が増えることによる環境全体への影響のみならず、地域の鳥や自然が受ける悪影響を懸念する声が上がった。

しかしアジア第3の経済を誇るインドは、空港や交通網の建設を通じて経済を刺激しようとしている。

モディ首相は、小さな町や村をつなげることでインドの成長を促進することを目指しており、さらには飛行機のリース融資事業の立ち上げも検討している。目標は同国の経済規模を2025年までに5兆ドル(約550兆円)にすることだ。しかし、インドの航空業界は長年にわたり問題を抱えており、政府は経営難のエア・インディアを支援してきた。

同国の滑走路450本のうち、近年のインフラ投資以前の3年前に機能していたのはわずか75本だった。政府は今後5年で空港建設に1兆ルピー(約1兆6000億円)を投じる意向だ。

インドの経済発展と、成長を続ける中間層への投資は、間違いなく成長に寄与している。しかし、気候変動問題の重要性が増し、多くの政府によって重要課題とされる中、こうした成長が環境にもたらす害はただ見過ごされてよいのだろうか? 首都ニューデリーでは最近、スモッグの発生により空港が閉鎖され、航空交通がストップする事態も起きた。

デリー空港では昨年11月3日、スモッグによる視界不良で37便が欠航あるいは目的地変更を強いられた。ニューデリーでのスモッグ発生は近年、珍しいものではなくなっているが、大気汚染により最近では数千人が入院した。

世界のどこであっても、こうしたインフラの拡大に伴う予防策がない限り、ただ単に「建設する」のではなく、きちんとした議論と計画がなされるべきだ。

編集=遠藤宗生

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