世界経済フォーラムが実行する約束
政治、経済におけるリーダーシップがなければこれらの課題は解決しません。世界経済フォーラムでは、ジェンダー・ギャップ評価のために総合的なデータと「判断基準」を提供するほか、2020年から実施する以下の3つの行動に取り組んでいます。
・変化のスピードを加速させるためのリーダーとなることを希望する国々に、プラットホームを提供しています。現在、世界経済フォーラムは9か国と恊働し、「ジェンダー・ギャップ解消アクセラレーター(Closing the Gender gap Accelerators)プログラムを通じ、女性の就労率を上げ、男女賃金格差を解消し、女性リーダー数を増やし、将来の職務に備えて女性にスキルを身につけさせるために、変革を推進しています。2020年までに、同プログラムを15か国にまで広げ、ベストプラクティスを体系化し学び合えるよう、アクセラレーター参加国間の学習ネットワーク設立を目指しています。
・大手企業と協力して、今後最大の成長が見込まれる職務または最も戦略的な職務を5つ特定し、2022年までに、その職務の採用と報酬にジェンダーパリティ(ジェンダー公正)を取り入れるよう働きかけています。とはいえ、これは包括的な解決策ではないため、企業はパリティに向けてさらにするべきことがありますが、それでも、新しくギャップが生じるたびに是正するのではなく、将来のジェンダー・ギャップ解消を目指すためには、先手を打った戦略を取り入れることが重要です。
・ダボスで開催される世界経済フォーラムの年次総会は、世界中のリーダーが集い、多くの注目を集める会合のひとつです。第50回目となる2020年度総会では、2030年までに女性参加者を少なくとも2倍以上にすることに取り組みます。ある程度は、多様なステークホルダーグループ内からの参加者を増やす、グループ内の方策で取り組みますが、大部分は、政治、経済の各分野からの参加者と協力して、ジェンダー・ギャップ改善のためのリーダーシップについて取り組む予定です。
このような行動は、特効薬ではないものの、ジェンダーパリティ(ジェンダー公正)を加速するためには不可欠です。世界の才能の半数を男女平等に包括させない限り、社会全体に対して第四次産業革命を約束通り実行できず、繁栄を分かち合える経済成長も、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を達成することもができません。
2020年代の幕開けには、より公平で包括的な国々を構築することこそ、産業界、国内、世界のリーダーの目標とならなければなりません。今、そして、次世代にとってこれ以上の望みはないからです。
(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)