小泉進次郎大臣の育休取得宣言を読み解く。霞が関を覆う「不夜城文化」を改革せよ

小泉進次郎環境大臣 (Getty Images)

小泉進次郎環境大臣は1月15日、環境省の会議の冒頭で、第一子の出産後3カ月の間に、計2週間分の育児休暇を取得することを発表し、その決断に注目が集まっている。

公務を最優先にしながらも、時短勤務や在宅のテレワークも活用しながら、省内のパフォーマンス向上を目指すという。妻の滝川クリステルさんは近く出産を控えている。小泉大臣は自身のブログで、育児休暇の取得を決断するまでの葛藤を明かした。

「国民のみなさんから選挙で選ばれている国会議員、加えて、環境省で働くみなさんを率いる環境大臣という立場での重要な公務を抱えていることを考えると、取ることが難しいのかもしれない」

これが、小泉大臣の最初の率直な考えだという。だが、産後の孤独な育児によって「産後うつ」になる人が10%に上ることにショックを受け、「男性社員の8割が育休取得を希望しているにも関わらず、実際の取得率(2018年度)は6.16%」という現実に対して、自身も男性が抱えがちな葛藤を経験したという。

2020年度、男性の国家公務員も育休1カ月へ

日本政府としても、昨年12月27日に、2020年度には男性の国家公務員に対して、1カ月以上の育児休業・休暇の取得を促す制度を始めることを決定したところだった。取得時期は、原則として出産から1年以内。内閣人事局は各府省庁の取り組み情報を公表する。

これに対して小泉大臣は「制度だけではなく空気も変えて行かなければ、育休取得は広がっていかない」として、多くの人からの後押しがあったことをブログで明かした。

今回の発表を受け、森雅子法務大臣はツイッターで「大変嬉しいニュース」とした上で、自身も法務省内で「男性育休100%取得」を大臣訓示などで宣言していると反応した。小泉大臣自身が育休を取得することで、省内の職員や他の省庁に広がっていく大きな機運となるだろう。

有識者は小泉大臣の「育休宣言」について、どう見たのだろうか。Forbes JAPANを通じて男性の育児休業100%プロジェクト「#もっと一緒にいたかった」を展開し、多くの反響を受けたワーク・ライフバランスの小室淑恵代表は、小泉大臣の決断について「一定の評価ができる」と語った。その理由を読み解いていこう。
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文=督あかり

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