彼が今回のアナウンスを行ったのは、2日間に及ぶアマゾンのイベントAmazon Smbhavの会場でのことだ。そこでは現地の企業経営者らが、アマゾンの取締役や大手企業の担当者らの話に耳を傾けた。ベゾスの宣言は、拍手で迎えられた。
GDPベースで世界7位の経済規模を持つインドは、アマゾンによる投資を歓迎している。1月13日、インド競争委員会(CCI)はアマゾンとEコマース企業Flipkartらに対し、独占禁止法違反絡みの調査を開始するとアナウンスしたばかりだ。当局はアマゾンやFlipkartらが一部の販売業者を優遇し、インドの中小企業を不利な立場に追いやっていると指摘していた。
インド政府は昨年、海外のEコマース企業に対する規制を強化し、国内の業者を守るため、オンライン上の過剰な値引きを禁止した。さらに、ベゾスの訪問に合わせ数百万人の中小企業のオーナーらが組織するグループが、インドの300都市でアマゾンに抗議した。
世界一の富豪であるベゾスは、インドのモディ首相に面会を申し入れたと報じられたが、現時点で正式な発表はなく、アマゾンの担当者もコメントを控えている。しかし、ベゾスがデリーのイベントで発表した内容は、首相にとって歓迎すべきもののはずだ。
現在、2期目を務めるモディ首相はここ最近、インド国内のイスラム教徒への差別や暴力を煽ったとして、厳しい非難を浴びている。彼は昨年11月に、インド経済を2024年までに5兆ドル規模に拡大すると宣言していた。インドの2018年のGDPは2.6兆ドルだった。
インドを訪問中のベゾスはおだやかなトーンで、現地での交流を図っている。1月14日、彼はSNSに動画を投稿し、ニューデリーにあるマハトマ・ガンジーの記念碑、ラージ・ガートで供花する模様を公開した。さらに、現地の子どもたちと共に凧揚げをする場面も公開した。
ベゾスはインスタグラムに投稿した動画で、現地のイベントでの発言を披露している。
「21世紀はインドの人々の時代になると予測する。この時代において最も重要なのはインドと米国が緊密な連携をとっていくことだ。世界最古の民主主義国家と、世界最大の民主主義国家がつながりを深めることが必要だ」とベゾスは述べ、壇上でおじぎをした。