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2017年のスタートアップ・ヘルス・フェスティバルでのデイビッド・ファインバーグ(Photo by Kelly Sullivan/Getty Images for Geisinger Health System)

グーグルのヘルスケア部門「グーグル・ヘルス」を統括するデイビッド・ファインバーグは1月14日、同社と医療システム企業「アセンション」との取り組みが正当なものであると反論した。

グーグルとアセンションらは内部で「プロジェクト・ナイチンゲール」と呼ばれるプロジェクトを進めてきた。昨年11月にウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)はこの取り組みで、グーグルが大量の個人の医療データに不正にアクセスしていると非難していた。

「メディアでは様々な報道がなされたが、我々はこの取り組みに誇りを持っている」とファインバーグは述べた。プロジェクト・ナイチンゲールでグーグルは、アセンションと共に、個人の医療データをクラウド上に保存し、医師がデータを検索可能な状態にしたとされた。

その結果、少なくとも150人のグーグル従業員が数千万人分の患者データの大半にアクセスできるようになっていたとWSJは報じた。その後、プロジェクトに関わる数名の社員がプライバシー侵害の危機を訴えた結果、騒動となり、グーグルは強い非難を浴びていた。

ファインバーグが今回の発言を行ったのは、招待制のイベント「スタートアップ・ヘルス・フェスティバル」の会場でのことだ。ヘルスケアやバイオテクノロジーの起業家が集まった会場で彼は、グーグル社員がアクセス出来たデータは、ごく限られた範囲だったと話した。

「巨大な倉庫に例えるならば、鍵を持っていたのはアセンションのみだった」

ファインバーグは一部のグーグル社員がデータにアクセス可能だった事は認めたが、これは契約の合意事項に含まれていたという。また、今回のオペレーションは米国の医療関連の法律HIPAAに沿った形で、患者のデータを特定のパートナー企業と共有するものだったという。

一部報道では、グーグル社員が米国の4分の3の病院の医療データにアクセス可能だったとされたが、「実際にアクセス可能なのは2つの病院のデータのみだ」とファインバーグは説明した。

WSJは1月11日の記事でグーグルが、メイヨー・クリニックやインターマウンテン・ヘルスケアなど複数の医療企業と契約を結んだ結果、米国の4分の3の病院で保管された医療データにアクセス可能になっていると伝えていた。

メディアの報道は「誇張」

ファインバーグによると、グーグル社員はアセンションからの依頼を受け、医療データを検索可能なツールを開発する目的で、アセンションが管理する2つの医療機関のデータにアクセスしているという。このツールを用いれば医師たちは、患者らの診断履歴を迅速に検索可能になるという。

作業にあたるグーグル社員らはHIPAAの指導を受けており、データは全て匿名化されているとファインバーグは述べた。

「メディアの報道は事実を誇張している」と彼は指摘した。「我々は医療データを広告ビジネスに活用しようとはしていない。データをマシンラーニングなどの手法で解析し、新たなプロダクトを開発しようとしているのだ」とファインバーグは主張した。

編集=上田裕資

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