ビジネス

2020.01.18

第2のテスラ目指す自動車業界の重鎮「フィスカー」の挑戦

Jeff Vespa/ Getty images


フィスカーが復活を遂げる中、ライバルのテスラはBMWやアストンマーティンのデザイナーをスカウトしてモデルSの初期コンセプトを作り、躍進した。テスラ車への需要の高さや、上海の新工場が中国市場向けにモデル3の生産を開始したことを受け、同社の株価は10月以降高騰を続けている。

事業計画の詳細は語らず

テスラのモデルSは、最も安いモデルが4万ドルとなっている。同社は、2020年に50万台以上を販売する見込みだが、価格を引き下げるために、今後は生産台数を大幅に増やす必要がある。フィスカーは、この課題の解決に重点的に取り組んでいる。

「大衆車レベルの価格まで下げるには、数百万台規模の製造を行う必要がある。我々は部品価格を下げるために他社と共同購買を行い、パワートレイン全体の部品を既に調達した。また、リースプランを379ドルで提供できるようにビジネスモデルを構築した。この金額は、米国の平均リース価格は433ドルを下回る」とフィスカーは話す。

自動車スタートアップが成功するためには多額の資金が必要となる。テスラは、トヨタやダイムラー、パナソニックからの資金調達に加え、多額の融資やIPOによってカリフォルニア州フリーモントにある工場を稼働させ続けてきた。今、最も注目を集めるEVスタートアップの1社である「リヴィアン(Rivian)」も、アマゾンやフォードなどから、これまでに総額35億ドルを調達している。

現在56歳のヘンリック・フィスカーは、優れたデザイナーでありスポークスマンであるが、彼の会社が公約通り事業を展開できるかはまだ不明だ。成功には、多額の資金調達とパートナーシップが不可欠だが、今のところフィスカーは詳細については口を堅く閉ざしている。

フィスカーは過去の失敗から多くを学んだと話し、今回は幅広いサプライヤーからパーツを調達する体制を構築できたと述べている。

「これまでの経験から、全てを自前で行うことの難しさを学んだ。今回、我々は大手の投資家に加え、事業面でも大企業と提携することができている」と彼は語った。

編集=上田裕資

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