【独占】イートン校のオンライン教育を日本で CEOが「優位性」を語る

Eton X CEOのキャサリン・ウィテカー

「働き方改革」が叫ばれて久しい昨今、世間の耳目は職場環境や組織構造に集まりがちだが、労働生産性を高め、QOLを向上させるために、変化が必要なのは労働現場だけではない。社会で生きていくうえでの教養、体力、価値観、精神力……あらゆるものの基礎を作り上げる「教育」の在り方もまた、時代に伴い変化している。

文部科学省は2018年、高等学校のカリキュラムに従来の「総合的な学習の時間」から「総合的な『探究』の時間」を設置することを告示。生徒がより主体的かつ実践的にテーマを定め、得意分野や関心のある領域への理解を深めていくなかで「課題解決能力」を高めていくことを目的としている。

そんな状況下で、生徒の「課題解決能力」を高めるカリキュラムが、イギリスからやってきた。イギリス随一の名門校として知られ、これまで歴代首相や政財界の中心人物を数多く輩出してきたイートンカレッジが展開するオンライン教育プログラム「Eton X」だ。2019年には、日本で教育ソリューションを提供するグローバルスカイ・エデュケーション(GSE)と提携を発表し、国内での展開に注力していく方針だ。

この発表とともに、2019年11月にEton XとGSEとの共同記者会見が開催され、Eton XのCEOであるキャサリン・ウィテカー氏が来日。Forbes JAPANは、ウィテカー氏への単独インタビューを敢行し、イギリスの名門校からみた日本の教育の課題や「Eton X」の目指す教育理念を聞いた。


イギリス随一の名門校が提供するオンラインカリキュラムとは

イートン・カレッジ(以下、イートン校)の歴史は古く、ランカスター朝時代の1440年に遡る。当時国王を務めたヘンリー6世によって設立され、これまで20人もの歴代首相を輩出。英王室のウィリアム王子、ヘンリー王子の母校としても知られる、イギリスでもっとも有名な「名門パブリックスクール」だ。

また、2018年の夏には愛子さまがサマースクールにご参加されるなど、日本にも縁は深く、教育界にも大きな影響を与えている。

そんなイートン校が展開する「Eton X」は、2015年に同校のグローバル戦略の一環として始まったオンラインコンテンツ事業。「次世代のリーダー育成」をミッションに掲げ、中国に端を発し、現在では30カ国にまで広がっている。イートン校の生徒が学ぶ授業をオンラインで学べるのはもちろん、グローバルな現場での実践的なスキルを培うことができるとして、各国で受け入れられている。

今回、日本への展開にあたり、企業向け研修から海外での幼保園経営まで、ライフロングの教育コンテンツ開発に取り組むGSEとの提携を発表。その発表の記者会見に、Eton XのCEOであるキャサリン・ウィテカー氏が登壇した。

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文=半蔵門太郎 写真=柴崎まどか

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