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CT5の車内。ダッシュボードに搭載するディスプレイにAlexaの応答が視覚的に表示される

毎年初に米国ラスベガスで開催されるエレクトロニクスショー「CES」で、近年もてはやされているテーマのひとつがAIだ。エレクトロニクスや5Gの通信サービスと関わりを深めながら進化するAIの最新事情を、とても色濃く反映していたCESのふたつの展示を振り返ってみたい。


アマゾンのAIがホームとクルマをつなぐ

ひとつ目はアマゾンだ。アマゾンは今年のCESに複数のブースを設けて、Alexaの最新テクノロジーとエコシステムに参加するパートナーの製品を一堂に集めた。

特に今年はオートモーティブ関連では自動車にバイクなど、モビリティにも広がるAlexaを紹介した展示に見応えがあった。


アマゾンのAIアシスタント、AlexaがビルトインされるランボルギーニのHuracan EVO。道案内に天気、ニュース、燃料残量を音声操作で聞ける

ランボルギーニのHuracan EVO、ゼネラルモーターズのCadillac CT5など、Alexaをビルトインする自動車の車種も増えている。筆者はアマゾンのブースでCT5に試乗して、4G LTEネットワークにつながる“コネクテッドカー”からAIアシスタントのEchoに話しかけて「この近くのガソリンスタンド」などドライブに有益な情報を検索したり、ガレージや玄関灯などスマートホーム機器の遠隔操作などを体験した。

例えば、ガレージの開閉操作はこれまで赤外線リモコンでも行えたが、高速モバイル通信ネットワークはより離れた場所からでも安定したレスポンスの良い操作ができる。またAlexaによる音声操作のサポートを得ながらドライバーは安全運転に集中ができる。

米国の総合エネルギー企業であるエクソンモービルは、車内にいながら給油の決済をAlexaとAmazon Payを使って支払えるサービスの導入を始めている。アマゾンが得意とするEコマースのノウハウがコネクテッドカーの中で活かせる好例だと思う。それぞれのサービスを体験した筆者にも、クルマがスマホのようなモバイル端末になる未来が今までよりも現実味を持って感じられた。


アマゾンのブースに展示されたAlexaをビルトインするキャデラック CT5。LTE通信を使ってAlexaにつなぎ、スマートホームデバイスの操作などが行える機能をデモンストレーションしてみせた

米国ではあらゆる自動車をAlexaに対応するコネクテッドカーに変えてしまうアマゾン純正のデバイス「Echo Auto」が発売されている。本機をダッシュボードなどに置き、USB経由で電源につないで、通信はスマホによるテザリングを活用すると車内でAlexaが使えるようになる。現在乗っている愛車を手軽にネットワークに接続できるデバイスがコネクテッドカーの普及を力強く後押しするだろう。

5Gにはネットワーク通信の速度が上がるだけでなく、その大きな通信キャパシティによって、従来とはケタ違いに沢山のIoTデバイスをクラウドへ同時に多数接続できるメリットがある。日本でもこの春から5Gの商用サービスがスタートすれば、スマートホーム機器よりも先にクラウドに常時接続できるコネクテッドカーの普及が進むかもしれない。

その時にインターフェースの使い勝手に優れ、利用できるサービスの種類が豊富にあり、エコシステムが確立されているプラットフォームを選ぶならアマゾンのAlexaがベストな選択肢ということになるかもしれない。


エクソンモービルが導入を始めたAmazon Payによる車内からの支払いに対応する給油スタンド

文・写真=山本 敦

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