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サムスンが発表した8Kテレビ“Infinity Screen”シリーズ。ベゼル=フレームの幅がほとんどないスリムなデザインとして、8Kテレビの持て余すサイズ感を解消した

毎年1月に米国ラスベガスで開催される「CES」は、その年にエレクトロニクス分野のトレンドが向かう先が見渡せるイベントとしても注目されている。2020年には世界で4Kを超える「8K」の高画質映像エンターテインメントが本格的に立ち上がるだろう、という期待を込めた声も聞こえてくる中、CESで見つけた8Kなど映像関連の展示を振り返ってみたい。


コンテンツ不足を指摘されつつも順調に成長を続ける8Kテレビ

8Kのエンターテインメントを楽しむためには8K解像度のテレビなどディスプレイ機器のほかに、再生機器とコンテンツが必要だ。日本でNHKが2018年12月から8K放送を開始しているが、これを楽しむためにはテレビに内蔵されている、または外付の単体チューナーが必要だ。

北米を含む海外では8K放送がまだ始まっていないため、サムスンやLGエレクトロニクスは2020年に北米で発売する8Kテレビにユーチューブで配信されている8Kネイティブコンテンツを映して、CESのブースでデモンストレーションを行っていた。

ソニーは昨年から北米や中国で8Kテレビの販売を開始している。そして2020年には新しい8Kテレビのラインナップを北米市場に追加することも発表した。

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TCLの8K液晶テレビ。ハイセンスとともに日本でも商品を展開する中国ブランドが2020年のオリンピックイヤーに8Kテレビを投入して、販売台数の観点から躍進を遂げる可能性もある

各社の8Kテレビのデモンストレーションに共通しているのは、4K画質以下の映像コンテンツから8K画質にアップコンバートして「いま本命の8Kコンテンツ」として見せていたことだ。最新のテレビが搭載する映像プロセッサとアップコンバート処理のアルゴリズムが競争軸になっている。

そもそも北米にはネイティブ8Kのコンテンツがなくても、8Kテレビのセールスが順調に推移しているとテレビメーカー各社は口を揃える。元々アメリカには広いリビングルームに大画面テレビを置いて、家族揃ってホームシアターを楽しむ文化が根付いているため液晶、有機ELを問わず画面の大きなテレビが今も好まれるようだ。

ショップも低価格化が進む4Kテレビよりも、上質な映像体験が得られる8Kをアップセリングアイテムとして期待して推している。メーカーの新製品に寄せられる関心も高い。中国のハイセンスやTCLも2020年に投入を予定する8KテレビをCESで発表して、北米市場に勢いを付けて乗り込む。

文・写真=山本 敦

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