ブライアントはインテルに30年以上勤務し、2017年5月まで同社のデータセンター部門のプレジデントを務めた後、グーグルに入社しクラウド部門のCOOとなった。しかし、彼女は1年足らずでグーグルを離れていた。
Neural Analyticsは脳疾患を超音波システムで診断する機器を開発し、脳の血流の流れなどを視覚化し、医師たちに提示している。ブライアントはグーグルを退社後、3社からCEO職のオファーを受けたが、その中で最も魅力的に感じたのがNeural Analyticsからのオファーだったという。
「脳関連の医療テクノロジーに関わることで、人々の暮らしに大きなインパクトを与えられる。ロボティクスやAIを活用し、脳関連の疾患を早期に発見することで、診断プロセスを合理化し、病いに苦しむ人々の健康を大幅に改善できる」とブライアントは述べた。
彼女はNeural Analyticsのテクノロジーが患者と医師の双方に役立つ点を強調した。ブライアントのかつての同僚で、インテルの上級バイスプレジデントのSean Maloneyは2010年に脳関連の疾患で発作を起こしていた。
「Maloneyは当時、インテルのCEO職を引き継ぐ予定だった。体調の異変に気づいたMaloneyは医師の診断を受けたが、その際に脳疾患であるとは診断されなかった。彼は病気の悪化により職務を中断し、5年以上が経過した今も治療を受けている。その頃に、Neural Analyticsのテクノロジーがあれば、このような事態は防げたはずだ」と彼女は述べた。
ロサンゼルス本拠のNeural Analyticsは、これまで7370万ドル(約80億円)を調達しており、出資元はAlpha EdisonやReimagined Ventures、UCLA VenturesであることがCrunchbaseのデータに記載されている。同社はアメリカ国立衛生研究所(NIH)の助成金も受けている。
Neural Analyticsの創業者のLeo PetrossianはCEO職を離れ、プレジデントとして経営に関わっていくという。ブライアントはブロードコムの取締役会メンバーを兼任しており、今後もその業務は続けていくという。