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ところで、なぜ都内のアンテナショップの多くが、銀座や有楽町に集中しているのでしょうか。

都内の自治体アンテナショップは、独立店舗だけで60店存在します。下記の表を見てもわかるように、その約半数は、「銀座・有楽町」および「東京・日本橋・神田」に集中しています。

これらの地域は、都内ばかりでなく、全国や、さらに海外からも多くの人々が集まることや、その地域のブランドイメージをアンテナショップのそれとリンクさせることのメリットなどから、これらの地域が選択されているのだと考えられます。

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「2019年度自治体アンテナショップ実態調査報告」をもとに作成

自治体の特産品などを販売したり、飲食の提供をしたりしている場合が多いのですが、その他にも地元の文化や行事の紹介や、展示やイベントなどを行っていることも多いのです。なので、自治体のアンテナショップが集中している地域では、東京に居ながらにして、日本全国の各地を手軽に旅行するような気分を味わったり、各地について学んだりすることが、容易にできるといえるでしょう。

筆者も、時々、自治体のアンテナショップを訪問し、日本の各地を知ったり、感じたり、体験したりしています。そのことを踏まえて、ひとつ次のようなことを提案をしたいと思います。

日本人の国内旅行は、近年、減少してきています。また、最近は、外国人観光客が頻繁に訪れる東京、箱根、名古屋、京都、大阪という日本の人気5都市を周遊する伝統的なインバウンド観光ルートの「ゴールデンルート」にも飽きが生じてきているといわれています。

このようななか、個々の自治体のアンテナショップは、お互い切磋琢磨する競争相手であるわけですが、新たなる刺激や機会を生み出すためにも、この地理的集積性を活かして、相互に協力して、首都圏住民(とくに若い世代)やインバウンド観光客に向けに、日本国内を学ぶ機会や「国内旅行」の機会をつくったらどうでしょうか。それらの学習や機会は、必ず次の全国各地への訪問や観光につながるのではないかと考えています。

いま、日本各地の自治体では、地域再生や地方移住などの動きは高まっているものの、過疎や空き家問題、地域の荒廃など、必ずしもアンテナショップのように活況を呈しているわけではないように思えます。

このような意味からも、各自治体においては各地域がそれぞれの価値を構築あるいは再発見すること、そしてその魅力をどう対外に打ち出すのか、社会に認知させ、国内外の人々を引きつけられるかが重要になってきているといえるでしょう。今後も、都内の自治体のアンテナショップの果たす役割は、これまで以上に大きなものになることは確かだと言えるでしょう。

文=鈴木崇弘

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