ゲイツ財団、学生支援に22億円 米大学の変革促進へ

ビル・ゲイツと妻のメリンダ・ゲイツ(Kevin Mazur / by Getty Images for Robin Hood)

ビル&メリンダ・ゲイツ財団はこのほど、大学生支援を目的とした2000万ドル(約22億円)規模の助成金プログラム「インターミディアリーズ・フォー・スケール(Intermediaries For Scale)」の創設を発表した。

同プログラムは12の既存教育機関への資金提供を通じ、大学がより学生中心的な組織となり、低所得や第1世代(家族で初めて大学に進学した人)、有色人種の学生や、社会人の進学者の学業目標達成を支援できるようにすることを目指す。

インターミディアリー(仲介者)として選ばれた12組織は、大学卒業や学生の成功を長年にわたり支援してきた。ゲイツ財団は選考理由の一つとして、これらの組織が大学から高等教育の変革における良きパートナーとしての信頼を受けていることを挙げている。

同財団は、このプログラムが必要とされる理由をこう説明している。「大学に対しては、より学生中心的な組織へと変わらなくてはならないという圧力が高まっている。人口構成の変化、教育を受けた労働者に対する需要の高まり、財務的重圧の強まり、一般からの信頼の低下によって、自校のプログラムやサービスについて再考・再設計する大学が増えている」

プレスリリースによると、12組織は次の4つに注力する。

・大学をより学生中心的に変える取り組みについての意識を向上させる
・大学の意思決定プロセス(と意思決定者)に対し、学生の成果向上に向けた方針や措置の導入と実施をめぐる選択肢や機会、リスクについての情報を提供する
・方針や措置を変更する際の指針の提供や、そうした変更の影響・効率性の測定を通じ、変革の取り組みを支援する
・大学間の関係作りを支援し、ベストプラクティスや実践により得た教訓に関する大学間のタイムリーで効率的な情報交換を促進する

プログラムの第1段階(2020〜2021年)では、参加する組織が変革に興味を持つ大学を支援する能力を構築する。長期目標は、数年間で少なくとも300校に活動を広げることだ。

学生の成功支援は多くの大学の優先事項となっており、学生指導の強化や授業日程の見直し、予算の再分配、カリキュラム改革、学費援助制度の改定など、さまざまな策がとられてきた。こうした変革の寿命や効果は、各校の教職員の支持をどの程度得られているかによって変わってくる。このプログラムの目標達成のためには、教職員による最大限の参画が非常に重要だ。

編集=遠藤宗生

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