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オーランド・ブラボー

弱肉強食のプライベート・エクイティ(PE)の世界で、有名ファンドを凌駕する運用成績を出し続けているのが、オーランド・ブラボーだ。その投資術の秘密に迫った──。


オーランド・ブラボー(49)は、早い時期に自分の強みを見つけた。1985年に15歳で、故郷プエルトリコ西海岸の小さな町マヤグエスを離れ、米フロリダ州にある寄宿制のニック・ボロテリー・テニスアカデミー(現IMGアカデミー)に入学した。

夜明けとともに起床すると、地元の私立校へ通い、正午頃にはボロテリーのテニスコートに戻った。そこで灼けつくような日差しを浴びながら、アンドレ・アガシやジム・クーリエといった、のちに一流選手となる仲間と何時間も汗を流した。日が暮れると、1時間でシャワーと食事を済ませ、その後は勉強。それから陸軍の兵舎のように二段ベッドを並べた、汗臭い4人部屋へと引き上げて一日が終わる。

そんな生活を週に6日、丸1年にわたって続けた。「まるで『蠅の王』のテニス版でした」と、ブラボーの元ルームメイト、クーリエは回想する。

このような容赦ない競争環境に置かれたおかげで、ブラボーは全米ジュニア・ランキングのトップ40まで上り詰めた。だが、そこでピークに達した。「挫折を味わいましたね」。そう振り返るブラボーは、毎週のテニスの試合のおかげで、いまだに引き締まった体をしている。「言葉にできないくらいきつかった。でも、ああいった苦しい状況下でも耐えていけることがはっきりしました」。

その気骨と粘り強さが、やがてブラボーをプライベート・エクイティ(PE)の世界でトップレベルのディールメーカーに押し上げることになった。彼は390億ドル(約4兆2000億円)を運用する投資ファンド、トーマ・ブラボーの中心人物として、ウォール街で今一番の注目株なのだ。

フランスのHEC経営大学院(HECパリ)は2019年2月、ダウ・ジョーンズと共同で、トーマ・ブラボーをバイアウト型投資の分野で「最優良企業」に挙げた。またフォーブスが分析した公開データによると、トーマ・ブラボーのファンドは30%の年間リターンを上げ、KKRやブラックストーン、アポロ・グローバル・マネジメントなどの有名バイアウトファンドをはるかにしのぐ好成績を残している。15年の初頭以降、ブラボーは買収した企業25社を合計200億ドルで売却あるいは上場させているが、これは買収コストの4倍に相当する。

文=アントワーヌ・ガラ 翻訳=木村理恵 編集=増谷 康

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