ビジネス

2020.01.21

マイクロソフト本社内部「潜入」ルポ|シアトルイノベーションツアー第5回

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オラフ・アンジー氏と筆者

アンジー氏のプレゼンテーションの後、広大なキャンパス構内を散策し、その後マイクロソフトの社員が利用するカフェテリアでランチをいただき、前回訪れた時から変わらない、スタートアップさながらの自由闊達なムードとプロダクトの生まれ出ずる息吹のようなものに触れてキャンパスを後にした。

このカフェテリアは巨大なショッピングモール内のカフェテリアさながらにいくつかのブロックに分かれており、サンドイッチやピザといったアメリカらしいの食事から和食や中華などのアジア料理、インド料理などの店舗が数多く立ち並ぶ。多くの社員たちが一人で、また複数名で談笑をしたりしながら食事をとっていた。そんな会話の中から、のマイクロソフト製品の多くの種が蒔かれてきたのかもしれない。

NPO「WTIA」へ

2社目はシアトルベースのNPOであるWTIA (Washington Technology Industry Association) を訪問した。テクノロジー関連スタートアップ企業の育成と養成を目的として、スタートアップ企業が抱える様々な問題を、技術的側面、人的側面、また資金的側面からサポートする団体である。

その活動資金は多くのサポート企業の寄付で支えられている。スポンサー企業はその見返りとして、スタートアップ企業による様々なソリューションの提供を受けたり、投資先を発見できたりするという仕組みだ。

ワシントン大学や、WeWorkなどのシェアオフィスと連携し、スタートアップ企業がより快適にその事業活動を始められる手伝いをしたり、ベンチャーキャピタリストへのピッチ(VCの決済担当者から投資承諾を得るための短いプレゼン)の練習をサポートしたり、大手企業を招き、企業側からの逆ピッチ大会を開催したりなど、スタートアップ企業が独自ではなかなか見つけることができない機会を提供している。たった10%のスタートアップしか上場や事業売却という成功の出口へ到達できない環境の中で、いかにその成功率を高めるかが、この組織のミッションになっている。
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編集=石井節子

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