Close RECOMMEND

起業家たちの「頭の中」

SHOWROOM 代表取締役社長 前田裕二

アーティストやアイドルによるコンテンツ配信が無料で視聴でき、誰でもすぐに生配信が可能な“夢を叶える”ライブ配信プラットフォーム『SHOWROOM』。急成長する同サービスの運営会社SHOWROOMの代表取締役社長・前田裕二氏に、起業家としての心得や事業戦略についてドリームインキュベータの小縣拓馬が聞いた。(全6話)※本記事は2017年5月に実施したインタビュー内容を基に作成しております。


掘り始める前に、鉱脈を見極めろ

──ここまでSHOWROOMの人や組織面の強さをお話してもらいましたが、それ以外に最近の好調な売り上げ成長を支えている要素があるとすれば何でしょうか?

イシューを正しく設定する力かなと思います。特別なことはしてないんですよ。成長のために何が必要かを見極め、仮説を立てることに全力を注いだ。その仮説に沿ってとにかくやりきって、ここまできた。例えば、昨年からAKBグループとコラボさせていただいていますが、成長の背景は必ずしもそれだけではない。

僕らは、何が収益を突き動かすか、というのをずっと事業立ち上げ初期から科学してきていて、日々の膨大なPDCAを経て、今はかなり確からしい本質的な気づきに辿りついています。あとは、チーム体制を変えたことも大きいと思います。今の組織体制を去年の今頃に設計して、半年弱くらいかけてチームを作ったんです。

全体利益という目線を持ちつつも、ベンチャーノリのままわーっと自由にみんなが思い思いの動きをする、という感じだったのですが、昨年から個々人の比較優位を意識して、業務ごとの線引きをより明確にしました。当たり前ですが、得意分野って人によって違うな、と。今まではそのことをそこまで深く考えずに、釣ってきた魚は自分の魚なんだから、料理をして、お客さんのテーブルに提供するまで自分でやる、みたいな感じでやってたんですけど、それでずっと走っていて、バタバタと海とキッチンとレストランを行き来して、気づいたんですよ。これ非効率だな、と。気づくの遅いですね(笑)。

早く気づけよって話なんですけど、走ってる時は夢中で。お客さんがレストランにいるから夢中で走ってるんですよね。次のお客さんも来ていて待ってるし、早く釣りに行かなきゃ、みたいな。でもちょっと考えれば、提供が得意な人と、釣りが得意な人と、調理が得意な人ってそれぞれ違うから、そのチームを作ったほうが、スケールするよねっていう考えに行き着きました。

そして、去年から、料理を作るチームは料理を作ることに特化する、新鮮なネタを取ってくる人はそこに特化する、と切り分けて動くようになりました。今までは、漁師には、自分がこんな美味しい魚を釣って来たんだからこれは俺が調理するっていう矜持があったかのかもしれない。が、今は各部署が他部署のメンバーを信頼して、協働しています。僕にいたってはもはや、自分がやるよりみんなの方が料理うまいな、と思うこともあります。僕の想像以上の料理が出るから、みんなすごいなと驚くことも多いです。

以上のような体制を敷いて、それがワークして来たのが、去年の夏くらいなんですよね。それにAKBなどのコンテンツ戦略が上手く重なったというのが、成長の背景です。

文=小縣拓馬 提供元=Venture Navi powered by ドリームインキュベータ

この著者の記事一覧へ

PICK UP

あなたにおすすめ