イノベーション・エコシステムの内側

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シンガポール政府のスタートアップ支援機関であるACE(Action Community for Entrepreneurship)によれば、2012年に2400社だったスタートアップは、2018年に3800社にまで増えた。内訳は、55%がデジタル消費者業界、次にエンタープライズテクノロジーとフィンテックだ。

また、スタートアップに対する投資取引をみると、2012年には約80件(1億3640万ドル相当)だったのが、2019年には174件(約10億ドル相当)と激増した。

そんなシンガポールの現況について、日本貿易振興機構 JETROのイノベーション促進課課長の吉田悠吾氏、佐藤澄氏、企業庁やACEの職員、現地で活躍する起業家などに話を聞いた。以下に、それをまとめてみた。

東南アジア最大の資金調達ハブ

シンガポールを本社とするスタートアップからは、配車アプリのグラブ(創業2012年)、ゲーム配信と電子商取引のSea(同2009年)、東南アジア最大のECサイトのLazada(同2012年)、ゲーム専門機器販売のRazor(同2005年)と、企業総評価額10億米ドルを超える「ユニコーン」が登場している。

Lazadaが2016年4月に中国のアリババ集団傘下となったほか、Seaが2017年10月にニューヨーク証券取引所で、Razorが同年11月に香港証券取引所でそれぞれ新規株式公開を実施するなど、すでに3社がエグジットしている。

政府系の他、内外の民間ベンチャーキャピタルの約70ものファンドが集積しており、いまやスタートアップにとって東南アジア最大の資金調達ハブでもある。

また、シンガポール JETRO事務所によると、2019年からは日系企業がシンガポール企業とのオープンイノベーションを相次いで開始。代表的なところでは、三井グループや丸紅、損保ホールディングスや日興アセットマネジメントなど、多くの日系企業がシンガポール政府関連機関が主催するプログラムへ参加している。

GIAのネットワークを東京にも設置

政府機関であるエンタープライズ・シンガポール(シンガポール企業庁)は、グローバル・イノベーション・アライアンス(GIA、技術革新の国際連携構想)を通じ、シンガポールの企業が、アイデアやネットワーク、コラボレーションの機会を探れるよう、世界中のパートナーとネットワークを構築している。

日本のスタートアップやテクノロジーとも協力関係を強化するために、GIAのネットワークを東京にも設置。東京のサイエンス系アクセレレータであるリバネス社やその子会社と協働し、シンガポールや日本のスタートアップおよび中小企業を通じ互いの市場に参入することを支援している。

文=森若 幸次郎 / John Kojiro Moriwaka

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