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田坂広志の「深き思索、静かな気づき」

科学がどれほど発達しても、未だに、その存在が証明できないものがある。

それが「運気」と呼ばれるもの。

しかし、それにもかかわらず、我々の多くは、その存在を信じ、ときに運気を占い、ときに運気を高めるために、色々な方法を試してみる。

その方法については、古今東西、多くの書籍が様々な技法を語っているが、では、それらが共通に述べている、良い運気を引き寄せる方法とは何か。

それは、心の中に「明るい想念」や「前向きな想念」「ポジティブな想念」を持つことである。

実際、我が国でも、昔から「笑う門には福来る」という諺が語られ、そのことはよく理解されているが、近年、「引き寄せの法則」という言葉とともに、心の中に「ポジティブな想念」を抱くための様々な技法が語られている。いわく、「成功を強く念じる」「成功目標を言葉で語る」「成功イメージを思い描く」などの自己暗示的な技法である。

しかし、一方で、多くの人々が、こうした技法によって心の中に「ポジティブな想念」を抱こうと思っても、なかなか上手くいかないと感じている。

実は、それには、明確な理由がある。

その一つの理由は、我々は誰もが、過去の人生において、家庭内の問題、受験の失敗、就職での挫折、職場での人間関係の軋轢など、多くの「ネガティブな体験」を持っているからである。そのため、その体験が「自分は駄目だ」「自分は運が悪い」「どうせ上手くいかない」といった「ネガティブな想念」として、心の奥深くに沈積しているからである。

それゆえ、我々が、どれほどポジティブな想念を抱こうとしても、この沈積したネガティブな想念が、それを打ち消してしまうため、心をポジティブな想念で満たすことができないのである。

すなわち、もし我々が、良い運気を引き寄せたいと思うならば、まず、この人生のネガティブな体験から生まれた心の中のネガティブな想念を消していくことこそが必要なのである。

では、どうすれば、そのネガティブな想念を消すことができるのか。

そのための具体的な技法については、近著『運気を磨く』において詳しく述べたが、その要点を一言で述べるならば、ネガティブな想念は、人生というものを「二項対立的」に捉えているかぎり、決して無くならないということである。

文=田坂広志

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