ビジネス

2020.01.10

「信じて任せる」マネジメント|SHOWROOM 前田裕二

SHOWROOM 代表取締役社長 前田裕二


ガラス張り合議型経営 VS 孤独なトップダウン経営

──経営でもう一つ気になるのは、情報管理についてです。フルオープンの会社もあれば、統制するような企業もあるじゃないですか。前田さん的に、情報を社員と共有する上で、気をつけてることってありますか?

これは超難しくて。僕の今の組織マネジメントにおける課題のトップ3に入るくらいなんですけど。だから逆にDIさんに教えてもらいたいくらい。笑

まだ全然うまくできていないんですけど、やっぱり、経営の中で、どうしても全員に伝えられない秘匿性の高い情報はあるし、意思決定の過程を全部透明にして、ガラス張りにして伝えられるかっていうと、難しいこともあります。だから社員の知らないところで意思決定されて出てきたとしても怒らないでね、組織ってそういうもんだよ、って意識が組織全体に広がらないと、経営効率は上がらないという側面もあります。

ただし、意思決定プロセスに入ってもらった方が、アクション時の胆力やエネルギーが高いケースも多いので、やはりバランスが極めて重要です。このバランスがとても難しい。時折、スピーディーにトップダウンで意思決定を下さなければいけないこともあるわけですけど、そういう時、「それ全然知らないです。意思決定にぜんぜん参加してないですけど」ってことが社員のストレスになってしまっては元も子もないし。

難しいんですけど、そういう意味で気をつけていることとしては、チーム全体の成果を最大化するってとこにみんなの主座を置くのだとすれば、極端な話で言えば、僕が誰の相談もせずに、孤独に決めなければいけない意思決定もある。そういうものをちゃんと理解してもらう努力をする一方で、ある種みんなの合議制じゃないですけど、みんなの意見を取り入れるってことに関しては、例外を除いては最大限努力していくという、バランス感覚を養うことが大切なのかなと思いました。

もちろん、もっと根底にある一番重要なことは、みんなとの信頼関係や、みんなに対する愛情や思いやり、だと思いますし、それ抜きで「俺の意思決定を信じろ」なんて、言えませんが。

連載:起業家たちの「頭の中」
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文=小縣拓馬 提供元=Venture Navi powered by ドリームインキュベータ

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