米国とイラン間の緊張の高まりの中においても、9日のダウ平均は200ポイント以上の上昇となった。中でも注目を集めたのが、前日から2.1%も値をあげたアップル株だった。同社の株価は現在、310ドル付近での取引となっている。
CNBCのアナリストが中国の政府系シンクタンク「中国情報通信研究院」のデータを元に伝えたところによると、アップルは昨年12月、中国で320万台のiPhoneを出荷した。中国でのスマホ出荷台数が下落トレンドにある中で、iPhoneの先月の売上の伸びは18%だった。昨年12月の中国でのiPhoneの出荷台数は270万台だったという。
アップルの株価は2019年に86%の上昇となった。背景にはPhone 11の売上の好調や、動画ストリーミングの「Apple TV+」の始動などがあげられる。
アップルの時価総額は昨年、5000億ドル近くも上昇した。同社の時価総額は現在、1.25兆ドル(約137兆円)近くに達し、世界で最も高価値な企業となっている。
ただし、iPhoneの売上は減少トレンドが続いている。アップルの昨年第3四半期の中国での売上は90億ドルだった。第1四半期と第2四半期はそれぞれ、132億ドルと102億ドルだった。第4四半期の売上を100億ドル程度と想定すると、通年の中国での売上は430億ドルに達することになる。
巨大な市場規模と、消費者の購入パワーを持つ中国は、アップルの今後の成長に必須の市場だ。ティム・クックは以前、米中の緊張の高まりを受け、中国でのiPhone需要が落ち込んだことを認めていた。
しかし、中国でのiPhoneの売上が回復傾向にあることが示され、市場の期待も高まった。