ビジネス

2020.01.09

ウォルマートの脅威になるか、アマゾンの生鮮食品分野進出

syc011 / Shutterstock.com

アマゾンにとって、2019年のホリデーシーズンは最高だったようだ。同社は12月26日付けのプレスリリースで、次のように述べている。「世界中で数十億点にのぼる商品が注文され、何千万点ものアマゾンデバイスが購入された」

主な注目の的は、アマゾンプライムの新規会員数(1週間だけで500万人以上が新規登録した)と、特に人気の高かった商品カテゴリー(アマゾンの各種ブランド、おもちゃ、ファッション、ホーム、ビューティの商品)だ。だが、このプレスリリースの下のほうには、小売業者やブランドが注目すべきことが書かれている。

・2019年ホリデーシーズンには、生鮮食品の配達を初めて利用したプライム会員の数が80%以上増加した。
・2019年ホリデーシーズンにプライム会員が注文した生鮮食品の数は、前年から倍増した。
・アマゾンは2019年ホリデーシーズン中、ホールフーズ・マーケットとアマゾンフレッシュの生鮮食品数千万点を配達した。
・プライム会員はホリデーシーズン全体を通じて、ヘルシー志向の生鮮食品を購入していた。生鮮食品配達のベストセラー商品は、アボカド、ほうれん草、ブルーベリー、梨などだった。

プレスリリースによれば、多くのプライム会員がホリデーシーズン中にホールフーズ・マーケットで買い物をしたという。また、ホールフーズのプライベートブランド「365エブリデイ・バリュー(365 Everyday Value)」は、売上の多かったアマゾン傘下ブランドに名を連ねている。

アマゾンは多くの分野で成功を収めているものの、これまで生鮮食品は狙った通りの大成功にはなっていなかった。そして、アマゾンにとって生鮮食品が必要であることは間違いない。アマゾンは今後、この分野にどう取り組んでいくつもりなのか。その噂には事欠かないが、今回のホリデーシーズンにおける前途有望な数字は、ごく基本的な戦術を浮き彫りにしている──顧客への配達に要する時間とコストを削減する、という戦術だ。

この動きに注意深く目を光らせているのが、ウォルマートだ。2020年には、配達員が商品を冷蔵庫まで直接届けるサービス(スマートキーとウェブカメラを利用したもの)よりもさらにインパクトのある新たな生鮮食品サービスにより、ウォルマートが反撃に出る可能性もある。
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翻訳=梅田智世/ガリレオ

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