ビジネス

2020.01.10 06:30

買い物の仕方はどう変わる? 2020年代の小売り予想図

Photo by Spencer Platt/Getty Images


5.マイクロ・フルフィルメントセンターの活用が進む
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小売業界を専門とするメディアのモダン・リテールは、食品雑貨店について、オンライン注文に対応するためには独立型の物流センターが必要だと指摘している。マイクロ・フルフィルメントセンター(MFC)と呼ばれるこうした小規模な受注・配送拠点は、百貨店にも有効かもしれない。百貨店も、一部の商品をこうしたフルフィルメントセンターから出荷できるからだ。

MFCには配送時間の短縮のほか、慎重な取り扱いが必要な難しい注文に個別に対応できるといったメリットがある。筆者の見るところ、食品雑貨店で対応が求められる問題は、ほかの小売業者もいずれ直面することになることが多い。

6.ヘルスケアが最も重要な分野になる
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米家電量販のベスト・バイによる18年の米ヘルスサービス大手グレートコール買収は、人口の高齢化が進んでいるために、ヘルスケアが重要な消費者ビジネスになっているという認識から行われたものだった。

シニア層のケアの管理をできるだけ簡便にするようなヘルスケアサービスの必要性は、これまで以上に高まっていると言える。米小売大手のウォルマートも新たに独立型の診療所を開設しているし、米ディスカウントチェーン大手のターゲットも米ドラッグストア大手CVSヘルスとのパートナーシップを生かしてヘルスケア事業を見直した。

一般に比較的高い年齢層への訴求を図ってきた百貨店も、こうした消費者動向にどう対応していくか、よく考えるべきだ。店でシニア層らにもっと買い物してもらったり、彼らの顧客ロイヤルティーを高めたりできるように、百貨店は地元の病院と提携してもよいのではないか。

7.在庫は厳しく管理される

筆者が聞き取りした限りでは、20年の売り上げ見通しは小売業者によってまちまちだが、ひとつ一致していたのは在庫を厳しく管理していくという点だった。需要に見合うなら商品はいつでも増やせる、というのがその理由だ。

高級品の小売業者で低価格帯の品ぞろえを増やす考えの業者もあれば、廉価品の小売業者で高価格帯へのシフトに言及している業者もある。いずれにせよ、そこでの課題は、在庫リスクを最小限に抑えながら、売り上げを増やすことに尽きるだろう。

20年は、小売業者に迅速な行動が求められる年になりそうだ。そしてまた、斬新な発想から新たなビジネスが生まれてくるだろう。

編集=江戸伸禎

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