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2020.01.09 12:30

収益化に苦戦するアマゾン傘下のゲーム実況「Twitch」

Mano Kors / Shutterstock.com

アマゾンのゲーム実況サービス「Twitch(ツイッチ)」は、この市場の最大勢力ではあるが、ニュースサイトThe Informationが関係筋から得た情報によると、2018年の広告収入は2億3000万ドル(約250億円)程度であり、2019年の通年売上予想は3億ドル程度だったという。

記事によると、Twitchは当初の計画では2019年に5億ドルから6億ドルの広告収入を見込み、サブスクリプション収入との合計で10億ドルの達成を目指していたという。

Twitchで活躍する人気ゲーマーたちは広告収入をプラットフォームとシェアしている。しかし、トップ配信者の収益の大半は、利用者がTwitchに支払うサブスクリプション費用からもたらされている。

Twitchは2020年に10億ドルの売上達成を望んでいる。しかし、The Informationによると、サブスクリプション売上の大半は配信者に還元されるため、Twitchにとって利幅が大きいのは広告だという。

それとは対照的に、ユーチューブの場合は広告のみで数十億ドルを稼いでいる。資産管理会社Needham & Companyのアナリストは、グーグルが2006年に16億5000万ドルで買収したユーチューブの価値が、今では3000億ドルにまで膨らんだと分析している。

Twitchは現在、非ゲーム分野のコンテンツを拡充しようとしており、トーク番組の「Just Chatting」カテゴリの合計視聴時間は2019年に42%上昇し、6億5100万時間に達したという。これは人気ゲームの「League of Legends」や「Fortnite」に次ぐ数字だという。

ゲームストリーミング市場でTwitchは73%のシェアを誇っている。しかし、シェア21%のユーチューブや、Mixer(3%)やフェイスブック(3%)も人気の配信者と契約を結びTwitchの利用者を奪おうとしている。

マイクロソフトが運営するMixerは昨年、人気ゲーマーのTyler “Ninja” Blevinsと独占契約を結び、注目を集めた。この分野のスタートアップCaffeineも、Twitchの有名プレーヤーを引き抜く動きを見せている。

現状ではTwitchが優位なポジションを維持しているが、長期的に見ればその地位が揺らぐ可能性もある。ユーチューブは多様なコンテンツで強固な地盤を築いている。様々なプラットフォームでゲーム実況を配信するゲーマーたちは、配信後にはダイジェスト動画をユーチューブで公開するのが慣例となっている。

アマゾンは2014年に9億7000万ドルでTwitchを買収していた。

編集=上田裕資

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