「見たことがない」初のドローン500機と花火の競演
マリーナ・ベイの夜空に、花火とは違う見たことのない光跡を描き、観客をあっと言わせたのがドローンの演出だ。STAR ISLANDでドローンを使ったのは初めてのこと。500機のドローンが一つひとつの光の粒になり、最先端のテクノロジーを駆使し計算され尽くした動きで空中に様々なモチーフを描き始めたのだ。
空が海になったかのように自在に動くクラゲが現れたかと思ったら、クラゲが雄大に泳ぐクジラに形を変えて、それから鳥に変身。打ち上がる花火とマリーナ・ベイ・サンズを背に、大きな翼を動かしながら舞った。
そしてドローンはダイヤモンドに変形、色とりどりの魅惑的な輝きを放ちながら360度回転した。さらにロケットを従えた惑星に変化し、STAR ISLANDの世界観を表現した。
ドローンを使ったショーは世界各地で行われており、「ドローンが花火を駆逐する日が来る」といった言説もあるが、ドローンと花火をシンクロさせたエンターテインメントは世界でも稀有で、会場でも「見たことがない」と絶賛された。
スケール、高さともに記録的な規模で、アナログとデジタルを超えた新境地とも言える。
一輪車、ローラースケートのフィギュア…日本が誇るパフォーマーが圧倒
ステージでは日本が誇る世界的なパフォーマーたちが圧巻のショーを繰り広げた。
「川崎渡田一輪車クラブ」による一輪車のダンスやBMXを使ったパフォーマンス、炎と光のファンタジスタ・雷炎舞集団「かぐづち-KAGUZUCHI-」による火を使ったパフォーマンスが会場に熱気をもたらし、五輪出場経験もある女子新体操・元フェアリージャパンの三浦莉奈やサイード横田仁奈らも登場した。
ローラースケートによるフィギュアのパフォーマンスもショーのストーリーを盛り上げた。アジアローラースケート選手権大会で4回優勝した経験のある西木紳悟がAOHAとペアの演技を披露した。
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フィナーレでは「STAR DIVA」としてオペラ歌手の辰巳真理恵が登場。ステージ上で巨大な衣装に包まれ、美声を披露した。
ドローンが時を刻み、衝撃のカウントダウン
前半、流れ星の如く地に落ちていったドローン500機。一度はその役目を終えたかと思いきや、年越しの時が近づくと再び浮上し、観客席の頭上に迫ってきた。
0時5分前。ドローンが描いたのは優雅に天を舞うヴィーナスだ。空を泳ぐ大きな船に変化した。そしてシンガポールを象徴するマーライオンが空中に描き出されると、大きな歓声が上がった。さらに五輪の年を祝うかの如く、走り出す人間の姿も描かれた。
Shunichi Oda