「STAR ISLAND」日本発、シンガポールで50万人が熱狂。スター不在でもウケる理由

日本の花火とドローン、パフォーマンスがシンガポールのカウントダウンをジャックした(写真=小田駿一)


そしてカウントダウン。ドローンが描いたのは巨大なアナログ時計だ。刻一刻と迫るその時。「3、2、1……」。年越しの瞬間、無数の花火が打ち上げられ、ドローンによる「2020」「STAR ISLAND」の文字がシンガポールの空に輝いた。

クライマックスでは誰もが惜しみない拍手を送り、自然にスタンディングオベーションが起きた。互いに抱き合い、新年を喜び合う姿も見られた。

没入感を構築、常に新しい感動体験を


2017年から観客が身に着けるリストバンドを手掛け、今回初めてドローンのショーを手掛けたのは、セブンセンスとnommocの代表取締役社長を務めるクリエイターの吉田拓巳氏だ。

「ドローンについてはものすごく色々なハードルがあったので、ギリギリまで実現可能性を追求してきました。ドローンが上がった時の歓声を聞いて、僕自身も嬉しかったです。パーフェクトでした。『STAR ISLAND』は世界のどこにもない、体験価値の高いエンタメコンテンツだと思います。いろんな人のクリエイティビティが合わさって成り立っていることを実感しました。次も、新しいことを模索したいです」

エイベックス・エンタテインメントで「STAR ISLAND」事業プロデューサーを務める坂本茂義氏は終演後、このように振り返った。

「お客様の反応を目の当たりにして、言語を超越してコミュニケーションが取れている、伝わっているなと強く感じました。改めて日本の花火の美しさを伝えることができ、没入感を構築できたと思っています。ここまでの道のりが大変でしたので、携わってきたみんなを褒めてあげたいです。これからも常に先を見て、エンターテインメントで新しい気づきが与えられるような、感動体験を作り続けていきたいです」

今回、Forbes JAPANではこのSTAR ISLANDを通じて、エイベックスが描くエンターテインメントやコンテンツの未来、テクノロジーとクリエイティビティ、ライブの可能性について取材した。今後さらに掘り下げて詳報していく。

文=林亜季、写真=小田駿一

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