ビジネス

2020.01.09 06:30

時代の急激な変容が迫る「仕事の意味」再考の必要性


私たちが答えるべき本当の問いは、必要なものを作り出すのに必要な人員の数が技術の進歩により減り、仕事がもはや必要とされなくなった社会で、いったい私たちは何をすべきかというものだ。貧困層の拡大を食い止めると同時に、私たちが集団として持つポテンシャルを発揮するには、無条件のベーシックインカム(最低所得保障)提供を受け入れ、給与の有無にかかわらず自分のやりたい仕事に就ける人を増やす必要がある。

この議論は政治から切り離すことが重要だ。反対派は、無条件のベーシックインカムは単に人々を金と引き換えに解雇することであり、政府の役割と責任を減らす手段にすぎないと主張している。しかし世界中で行われてきた無数の試験からは、人々の最低限のニーズを満たせば好ましい結果が出ることが示されている。もちろん、解決すべき課題はある。例えば、ベーシックインカムを導入する国へ移民が押し寄せる可能性などだ。だが、こうした問題は解決が可能なものだ。テクノロジーは人々の生活を改善しており、さらなる改善は可能だ。私たちはそれを受け入れ、そのポテンシャルを利用すべきだ。

私たちの仕事についての考え方は今後、大きく変わるだろう。仕事は飢え死にしないために必要な活動ではなくなるのだ。私たちの子や孫の世代は、かつて人々が強いられていた作業について知り、驚くだろう。こうした未来は、いつやって来るのだろうか? それは私たちが社会全体として、仕事の真の意味をどこまで深く考えられるかにかかっている。

編集=遠藤宗生

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