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2020.01.08 11:35

2020年代の世界はどうなる? 米フォーブス編集長が大胆予測


・租税政策や通貨政策に関する現在の考え方は過去のものになる。

計量の定義(1フィートは何インチか、1時間は何分かなど)をひっきりなしに変えると市場が「刺激」されると想定するのは、普通はおかしいと思うはずだが、各国の中央銀行が価値の物差しであるはずの通貨に関してやっているのは、まさにそういうことである。

通貨が不安定だと、生活水準の向上にとって重要な投資の妨げとなり、進歩が阻害されてしまう。また、人々は保有する資産の価値について心配し、金や不動産などの実物資産に投資することになる。これは実際、08年の金融危機の前夜、米国が意図的にドル安に誘導した後に起きたことだ。

ここで、誰もしないような思い切った予言をしてみたい。30年までに、各国は金本位制を採用するようになる。金本位制は、4000年にわたって通貨の安定をもたらしてきた仕組みである。

税は景気にたいして影響を与えないという、また別のばかげた考えも廃れていくだろう。税とは実際に代償であり、負担なのだ。負担を軽くすれば経済は活気づく。

20年の米大統領選で民主党の指名を争う候補たちは皆、さまざまなモノや活動に対する課税強化を訴えているけれど、今後はその逆の方向、つまり税率を引き下げて成長を生み出し、税収を増やそうとする政府が増えてくるだろう。

・規制に対する政府の関わり方が劇的に変わる。

米国では1960年代以来、あらゆる不測の事態をカバーし、人間による「不完全な」判断を排除するための詳細なルールを作成できるという誤った考えの下、おびただしい数の規制がつくられてきた。しかし、その結果、物事をやり遂げる責任が乏しくなるという弊害が生まれた。それは特に政府に顕著だ。

うんざりするような規制の仕組みが今後、単純な原理や目標に取って代わられるようになるのを見守りたい。オーストラリアは既に、ナーシングホーム(高齢者らの福祉施設)に関する何百ページもの規制を、ほんの数ページの原則で置き換え、素晴らしい成果を収めている。
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編集=江戸伸禎

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