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“何を得るにしても、悟りを得よ。”

米フォーブス編集長Steve Forbes (Photo by Steven Ferdman/Getty Images)

向こう10年に何が起こるか、さまざまな予測がされているかもしれないが、どれもあまり真面目に受け取らないようにしよう。2020年代もまた、予想もしなかった出来事、想像を絶するような出来事に次々と見舞われることになる、そう覚悟しておくべきだ。

00年の時点で、「9.11」の米同時多発テロや08年の世界金融危機、あるいは史上初のアフリカ系米国人の大統領誕生を予想していた人がいただろうか。また10年の時点で、ポピュリズムの台頭やドナルド・トランプの米大統領選出、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)、中国とロシアの強硬な対外行動を見通していた人がいただろうか。

振り返れば、第二次大戦後の秩序は新たな世界規模の戦争の回避につながり、また世界各地における生活水準の驚異的な改善ももたらした(新たなミレニアムに入ってから、10億人を超える人々が極度の貧困を脱した)。

だがここ数年で、この秩序もいよいよ崩れてきた。これもまた、10年前には考えられなかったことだ。スーパーコンピューターのような働きをする携帯端末を何十億人もの人が所有するようになることも、香港で民主派のデモが何カ月も続き、中国本体に余波を及ぼすかもしれない情勢になることも、当時は想像もされていなかっただろう。

それでも、未来は見通しの利かない霧の向こう側にあるとは分かっていても、やはり予測したくなる気持ちは抑えがたい。そういうわけで、一握りの分野のものだけだが、20年代に起こりそうなことをいくつか挙げてみる。

・ヘルスケア分野で、ウーバーやリフトが輸送分野で起こしたような激変が起こる。それによって、起業家たちにさまざまなチャンスが生まれる。

この巨大な分野の根本的な問題は、そこに自由市場が存在しないことである。ヘルスケア制度はこれまで、「第三者」、つまり保険会社と政府、雇用主によって牛耳られてきた。トランプ政権が始めたように、政府がサービス提供者に料金の公示を義務づけさせねばと感じるような業界がほかにあるだろうか。

急激な変化の起爆剤となるのは、免責額(自己負担額)が高く保険料が比較的安い保険プランが急速に普及することだろう。米国民が支払う医療費の総額は急速に膨らんでいる。今後、いろいろな検査や治療の費用を比較するサービスが登場してくるだろうし、患者がさまざまな病院の診療実績を比較できるようにする基準も作られるだろう。

自由市場化すれば、規制によるトップダウンのやり方では決してできなかったこと、つまり、より多く、より質の高いヘルスケアを、より安く提供するということが可能になるはずだ。

市場原理が強く働くようになれば、大半の総合病院は専門的な治療センターに改組されるか、もしくは消えることになるだろう。一方、治療(特にアルツハイマー病)や製剤方法などでも大きなブレークスルーが起こるのではないか。

編集=江戸伸禎

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