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2010年代は、イーロン・マスク率いるテスラをはじめとするEVメーカーらが躍進したが、次の10年間は水素を燃料とするモビリティの商用化が進むだろう。特に電車や長距離トレーラーなどの大型車両には、重量が数トンにも及ぶバッテリーパックよりも柔軟なパワートレインが必要となるため、水素燃料が適している。

現在、全米初となる無公害の「ハイドレール(Hydrail:水素を燃料にして走る鉄道車両)」の導入プロジェクトが南カリフォルニアで進行している。サン・バーナディーノ郡の運輸公社(SBCTA)は、スイスの鉄道車両メーカー「シュタッドラー(Stadler)」製の「FLIRT H2」を2024年に運行する予定だ。

フランスのコングロマリット「アルストム」が開発した水素燃料電池で動く旅客電車「Coradia iLint」は、既にドイツの通勤路線を運行しており、今後はフランスとイギリスも導入するという。アルストムも、シュタッドラーと同様に北米の旅客電車の燃料をディーゼルから水素に切り替えたい考えだ。

中国は、2015年に燃料電池で走行する路面電車を導入し、政府は水素燃料を盛んに宣伝している。

その他では、トラックメーカーの「ニコラ・モーター(Nikola Motor)」が、水素燃料電池で駆動するセミトレーラーの提供を2021年に開始する予定で、最近新たな資金を調達した。また、現代自動車も水素燃料の車やトラックの商用化に動いており、トヨタはロサンゼルス港に燃料電池トラックのフリートを投入する予定だ。

EVが普及した理由について、カリフォルニア大学デービス校のDan Sperling教授は、「生産台数の拡大で、バッテリーコストが大幅に低減した。燃料電池と再生可能水素についても同じことが言える」と話す。Sperlingは、米国で最も厳しい排気ガス規制を設定しているカリフォルニア大気資源委員会のメンバーでもある。

「社会的な圧力の高まりと無公害車に対する需要が、燃料電池車の革命をドライブするだろう。しかし、米国がこのイノベーションをリードするのか、他国に追随するのかは不明だ」とSperlingは話す。

米政府の取組みは、クリーンエネルギー市場の成長と逆行しているように見える。トランプ政権は米国内での石油やガスの採掘を許可する一方、自動車燃費基準などの環境ガイドラインを緩和した。

編集=上田裕資

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