海外ビジネスで成功するセルフブランディングの秘訣


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典型的な料理教室は、先生が料理をしながら生徒に教えるものですが、コルトンさんは、料理をしている姿を生徒に「見せる」デモンストレーションスタイルです。生徒はパーティーに招かれたゲストとしての立場を体験しながら、カクテルからデザートまで、コンセプトや世界観を体感します。

レッスンが始まる前には、バターの香ばしく甘い香りを部屋全体に漂わせ、アップビートのBGMでワクワクが感じられる空間を演出。ゲストに不要な気遣いをさせぬよう、パーティーが始まったら自分もキッチンに引きこもらず、ゲストと優雅に楽しく過ごしながらポイントを伝授していきます。

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料理中のコルトンさんのファッションにも、ブランディングへのこだわりがあるそう。

「洋服に取り入れる色や柄はテーマに沿ったものを選び、簡単に真似できない自分らしいスタイルを常に心がけている」というコルトンさん。メイクやネイルだけでなく、髪もゴージャスに巻いているのも、ゲストを楽しませるための心遣いとして大切な要素だと伝えます。

イベントやテレビ出演の際に、クライアント企業からエプロンの着用を求められても「“ニューヨークのおもてなし=Entertaining”なので、エプロンをつけないことがポリシー。これは絶対に譲れない私のスタイル」とこだわりを貫いています。

ニューヨークならではの発想や食材の組み合わせで、次々とコルトンさんにしかできない新しい味やレシピを考案。現在生徒数は、3000名を超えています。

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教室の生徒たちに特徴があるのも興味深い点です。初めて料理を学ぶ人から、すでに名門の料理教室を卒業したセミプロ級の料理人たち、駐在員の家族や国内外で活躍する著名人まで多種多様です。料理だけでなく、30年にわたりニューヨークで生活してきたコルトンさんのライフスタイルや考え方、感性に触れることによって「セルフブランディング」を学びたいと思う人々が集まっているのです。

ニューヨークでは、明確な自己主張ができないと生きてはいけないからこそ、この街で自身の力だけでブランドを築いてきたコルトンさんに惹かれ、ビジネスから垣間見える人間性や成功の秘訣を追いたくなるのでしょう。

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「わたしは料理を教えるためだけに料理教室をしているのはなく、人生を楽しくするためのお手伝いをしているつもりです。誰にでも幸せを求める権利があるということを、料理教室という空間でしっかりと伝えていくのが使命です」と、コルトンさんはいいます。

彼女がレッスンの最後に必ず生徒に向けて伝えるメッセージがあります。

Be your self.(常に自分らしく、周りの目を気にしてはいけない)
Never too be late.(何かを始めるのに遅いということはない)

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生徒の多くはコルトンさんの料理教室を通して、料理を学ぶだけでなく、自身を解放し、人生の楽しみ方のヒントを得ることもできる。彼女自身がもつこのマインドこそ、世界中の多くの生徒を惹きつける、独自のブランディング術ともいえます。

「自分の在り方は、周りからの声に影響されてはいけません。自分の心の声につねに忠実に。そうでなければ、内側から湧き上がる本物のエネルギーは生まれません」(コルトンさん)

彼女の言葉に背中を押され、独自の個性や感性から気づきを得た生徒が、料理教室を卒業後、独立するケースも少なくありません。彼女のビジネスの成功の秘訣は、華やかなファッションの裏にある、そのエネルギーに満ちたマインドにあると言えるのではないでしょうか。

文=安積陽子 

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