Forbes BrandVoice!! とは BrandVoiceは、企業や団体のコンテンツマーケティングを行うForbes JAPANの企画広告です。

2020.01.27

「ファンコミュニティ」は壮大な実験場。価格で選ぶ60%をロイヤルユーザーに育てるためにクレラップが取り組むこと

株式会社クレハ 常務執行役員 包装材事業部長 陶山浩二

「企業の公式SNSがなかなかユーザーにリーチしない」「リーチはしてもリアクションにつながらない」、そんな声は少なくない。企業側からの話題提供やブランディングのためにSNSは便利だ。しかし、今は「本音の時代」。SNS運用だと一方的な情報発信になりかねない。本音が感じられない情報に距離を置く消費者がいても不思議ではないだろう。よりリアルな声を消費者は求めており、そこに反応するのだ。


マーケティング理論の権威フィリップ・コトラーは、「マーケティング3.0」を価値主導のマーケティングと定義し、消費者とともに製品・サービスの価値創造を行う共創の必要性を謳った。そして今、「マーケティング4.0」、自己実現のマーケティングの時代においては、顧客をブランドのファンにすることをマーケティングの究極の目標として挙げる。

そこで登場したのが、「ファンコミュニティクラウド QON」。これはクオン株式会社が提供するソーシャルメディア型サブスクリプションサービスだ。平たく言うと、クラウド形態で提供されるプラットフォーム上に、各社が自社のファンコミュニティを作り、そこに生活者を誘導し、ファンを育て、ファンになる理由を分析し、提案を行うもの。現在約40社のコミュニティが存在し、200万人以上のユーザーが参加。ユーザーの関わり方は活発で、各社のコミュニティには、月間3,000以上のコメント、そして、5万以上の拍手が見られる。

株式会社クレハの「NEWクレラップ」は、熱に強く電子レンジからフリーザーまで使える食品包装用ラップで、スパッと簡単にカットできるV字刃採用が特徴的。リズミカルなCMを思い出す人もいるかもしれない。同社がNEWクレラップのファンとの共創の場に選んだのが、このファンコミュニティクラウドだ。

令和になったいま、ファンづくりの方法はアップデートされている。株式会社クレハを訪れ、同社の常務執行役員 包装材事業部長・陶山浩二に、従来のソーシャルメディアとは一線を画したファンコミュニティクラウドについて聞いた。


ファンコミュニティ導入で見えてきた課題とは?

陶山浩二(以下陶山) クレライフコミュニティは現在、約44,000人を超える方に会員登録いただいています(2019年11月現在)。NEWクレラップのシェアは20代、30代が特に高いので、インターネットを介するコミュニティのユーザーも同様の年代を当初想定していましたが、蓋をあけてみるとそうした若い年代の方だけでなく、60代など年齢層の高い方や男性にもご参加いただいています。



ファンコミュニティを導入して一番変わったのは、我々自体の考え方です。データマイニング(ファンコミュニティから得たデータの解析)から、当社のこれまでの発想がプロダクトアウトだったという事実が見えてきたことには、特に反省させられました。

クレラップは今年で発売60周年になりますが、常に改良を重ねてきました。NEWクレラップとなってから現在に至る約30年間では、約150箇所もの改良を加えてきたのです。しかし、その改良がそれほど消費者に伝わっていないことがファンコミュニティを通じた分析でわかってきました。

例えば、ファンコミュニティを介してリアルイベントも実施したのですが、消費者のみなさんとリアルに交流する中で、クレラップの大きな特徴であるクレハカット(ラップを端から端まで引きながら切るのではなく、箱を持つ手を内側にクルッと回転させて、ラップを箱の中央から左右に切断するカット方法)でさえ、参加者のみなさんの多くが認知していなかったのです。いかに我々が伝えられていないのか、ということをむしろ教わったというか、学んだことは大きかったと思います。


ファンコミュニティは実際のマーケティングにどう活かされたのか?

陶山 クレハカットの認知度を高めるためには、コミュニティ内の40,000人の人々だけにアプローチしても仕方がありません。CMの内容も「快感!クレハカット」として1年半くらい流し続け、徹底的に推奨しています。クオンさんのデータ分析を通じて、NEWクレラップの購買頻度があがったユーザーは「快感」「スパッと切れて気持ちいい」というキーワードに最も拍手をしていることがわかり(※注1)、コミュニティユーザーの声からもこの訴求方法(クレハカットの魅力を伝える上で単に価格や製品の差ではなく、こうした言葉こそ感情に刺さりやすいということ)が間違っていなかったことが確認できています。実は、快感クレハカット編のCMには、コミュニティのユーザーも手タレとして出演しているのです。


上図は、クレハカットの動画を見たユーザーのコメントの中から、「クレライフコミュニティに参加した後に購買頻度が高まったユーザー」に拍手されたコメントを抽出したもの。「快感」「気持ちいい」といったコメントに拍手が寄せられている(出典:クレラップ コミュニティ CDM Vol2.0, 2016年3月)



※注1 VoI= Voice of Influence(特許第5815168号)にて抽出。コミュニティ内でファン化したグループを抽出し、彼らの行動の“記録”を、時間を遡って追いかけることで、大量のVOC(=Voice of CustomerInfluence)の中から、特に多くの消費者に影響を与えた発言(VoI=Voice of Influence)を特定する特許技術。消費者の“記憶”やマーケッターの“勘”に頼らず、科学的な手続きを経て抽出されたVoIは、売り上げを向上させるための共感のポイントを示すという。

VoIのイメージ




また、もともとコミュニティでやっていたリアルイベントを広く知らしめたいと思い、「クレハカット選手権」を定期的に開催しています。クレハカット選手権は、制限時間内で何枚のお皿にラップをかけることができるのかを競うイベントです。全国5会場で予選を行い、東京で行う決勝大会での優勝者には「純金製ミニチュアサイズNEWクレラップ(100万円相当)」を贈呈しています。今年度優勝された男性は、奥様の指導のもとクレハカットを毎日練習して挑んだそうです(笑)。



我々は、ファンコミュニティを「壮大な実験場」だと思っています。コミュニティから得られた声やデータを元に、いろいろなことを仕掛けていくのです。その結果として消費者にはここが刺さるとわかれば、製品を改善していこうとか、CMに連動させようとか、流通を変えようとか、様々な取り組みを実行していくのです。

消費者の60%は、ラップを購入する際にどの商品を選ぶかを価格で決めているという調査結果があります。こうしたコミュニティでの取り組みは、この価格で左右される60%の消費者を、ロイヤルユーザーに育てていくことが目的だと考えています。


今後はどのような展開を考えているのか?

陶山 クオンさんとファンコミュニティを立ち上げたのは約4年前ですが、当初はNEWクレラップのみを扱うクレラップコミュニティとして運営してきました。今年度からは、「キチントさん」シリーズにも広げてクレライフコミュニティにリニューアルを行いました。

もともと「クレライフ」のホームページはあったのですが、消費者とのやりとりは一方通行になってしまっていました。クレラップコミュニティでの成果も踏まえ、双方向のコミュニケーションをキチントさんシリーズにまで広げることが目的です。



ファンコミュニティの取り組みを通じて、クレラップには知れば誰かに話したくなるようなポイントがあることに気づかされました。いい意味で想定外の連続で、例えば、「箱がつぶしにくい」「そのまま捨てようとするとかさ張る」といったお悩みをもとに2007年に設けられた「カートンクラッシャブル」は、一部分を引っ張るだけで簡単に箱を潰せる機能です。弊社での発信の優先度は低かったですが、データマイニングによるとこれがユーザーにとって重要な情報であることがわかりました。意外なところにコンテンツ化の鍵がある。クレラップで得られた結果を応用して、キチントさんシリーズでも新しい相関を見出せることを期待しています。



株式会社クレハ
https://www.kureha.co.jp/
クオン株式会社

https://www.q-o-n.com


「QON ー ファンを育て、ファン化の理由を解き明かすコミュニティを共創する」

#1 本記事| 「ファンコミュニティ」は壮大な実験場。価格で選ぶ60%をロイヤルユーザーに育てるためにクレラップが取り組むこと
#2 公開中| “ファンの本音”がアテニアにもたらした、企業と消費者の理想的な関係
#3 公開中|「場の崩壊」でも活性維持 “心のインフラ”仙台市のオンライン・コミュニティ

Promoted by QON / text by Forbes JAPAN BrandVoice Studio / photographs by Miho Noro

ForbesBrandVoice