キャリア・教育

2020.01.25 20:00

ハーバードでMBA取得、そのままアメリカで活躍する日本人のキャリア


あとは、出会う人との縁を大切にすることが重要だと思っています。葉子さんとの出会いも10年くらい前に葉子さんのブログを見て私からコンタクトしたのがきっかけです。

海外で活躍することに憧れがあった当時は、自分の一歩前を走っている人に果敢にアプローチして、経験談などを聞いていました。

最近結構よく聞くのが、特にシリコンバレーには日本人が出張で大挙してやって来るけど、ギブするものがないのにとりあえず会ってほしいという傾向がある。それは恥ずかしい、よくないことだ、みたいな風潮があります。それは確かに一部正しいし、常に自分がどんな付加価値を提供できるかを考えることは重要だと思います。でも、何か提供できるものがなかったり、まだ準備ができていないからといって、行動しないのは実にもったいないと感じます。私も、当時はギブできるものはあまりなかったけれど、会ってくれる人は会ってくれたし、その時の縁が思わぬ形でその後面白いものにつながるという経験を何度もしてきました。その時々の短期的なギブ&テイクだけで物事を考えるのはもったいな、と思います。

なので、特に若い世代の人たちは、あまり打算的になりすぎずに、そして自分を押し込めずに、果敢にトライして欲しいと思います。

──最後に、Forbes JAPAN読者に伝えたいことはありますか。

私は今、米国のブロックチェーンの会社で働いています。シリコンバレーのブロックチェーン業界にいると、新しいテクノロジーの波が来ているというのが肌で実感として感じられます。しかし、アメリカを含む海外のブロックチェーン業界で働いている日本人はまだ比較的少ない。ブロックチェーンは、ボーダーレスの世界だし、今後広がる業界の初期の段階だからこそ、もっと日本人の人材が入ってきてほしいと思います。


Ripple社では、よくブロックチェーン業界のカンファレンスに登壇している

私が勤務するRipple社では、ブロックチェーンを活用した国際送金のインフラ技術を金融機関向けに提供しています。伝統的な金融機関と密に働く一方で、クリプト系の先進的なスタートアップや取引所などの市場インフラ企業等、幅広いプレイヤーと一緒に働く機会があります。また最近では世界の多くの大学でのブロックチェーン研究支援も行っているため、アカデミックの世界との繋がりもあり、非常に多面的な経験をすることができ、まさに新たな産業エコシステムが立ち上がってきていると感じています。

このような大きなインパクトがある産業だからこそ、日本の若者たちもいち早く足を踏み入れて、今後世界で活躍できる人材が輩出されるといいなと思います。

また、ブロックチェーン業界はまだまだ男性が多いので、女性が増えていくと良いと思っており、個人的にそのような活動にも力を入れています。シリコンバレーでは、Women in Blockchainをテーマとしたカンファレンスなどがよく開かれるので、そこで登壇したり、またニューヨークで女性向けのブロックチェーン講座に2年連続講師を務めるなど、楽しみながら活動しています。今後、日本でも、出張時にそのような活動ができるといいなと考えています。


ニューヨークでの女性向けブロックチェーン講座で講師を務める

連載:海外事業家に聞く、人生の決め方
過去記事はこちら>>

文=クローデン葉子

ForbesBrandVoice

人気記事