ビジネス

2020.01.07

「他者の目」を大切にするチームづくり|SHOWROOM 前田裕二

SHOWROOMの代表取締役社長・前田裕二氏


──どうやってそういうメンバーを揃えることができたのでしょうか?

もともと、そういった思いやり素養のある人を採用しているからというのが大きいのかなと思います。元々は採用時に、スキルと人間性を5:5、あるいはスキルを上に見ていたのが、今は、かなり人間性に比重を置いた形で見てますね。人間的に裏切らないかとか、信頼できるかとかいうのを。

以前、小学校2年からの同級生を採用したんです。僕の小学校からの同級生だから、スキル面はなんとなく想像ついていました。僕も含めてですが、そこまで賢い地域や学校の出身ではなかったので、そこはあまり実は期待していなかったのです。それでもなんで彼を採ったかといえば、SHOWROOMのビジョンに対する共感度がものすごく高かったのと、彼の人間性については、僕のお墨付きだったからです。

彼はもともと0歳から俳優をやってて、28歳になった時に俳優で食っていけなかったら支える側に回ろうって自分で決めていたそうなんです。そんな時にたまたま僕のFacebookのポストを見たらしいんですけど、「事務所に入って普通に俳優のサポートをすると2、3人程度しか助けられないけれど、SHOWROOMに入れば、もしかしたら自分はすごい数の、“夢はあるんだけれどもどうやったらいいかわからない”って人たちに、無限にチャンスを与えられるんじゃないか」って思ったと言ってくれて。

人間性については、僕が小学校2年生の時ってすごい闇を抱えていて、「近づいてきたら殺す」みたいな感じだったんですけど。笑

そんな僕に対しても「前ちゃーん」とか近づいてきて遊びに誘うような、そういうやつだったんですね。という彼だから、人間的にはめっちゃ信頼していて。それで大手を振って採用したわけなんです。

その彼が今、目をみはるほどの高いパフォーマンスを上げてるんですよ。他のメンバーもびっくりして「バックグラウンドなんなんですか?」って思うくらいに。俳優だから、プレゼン中に急に、AさんにもBさんにもなりきっちゃうんですよ。こないだもある大手レコード会社の役員会みたいなところで、50人とかいる前で彼がプレゼンして、スタンディングオベーションみたいになってましたし。

それくらい成長しているわけなんですけど、それは彼のスキルとかじゃないですよね。熱量や思いの強さが圧倒的なんです。僕の言った本とかも全てすぐ読んでくれるし、最初にうちに入ってきた時なんかは、トイレにも立たないんですよ。「僕は会社に対して全く貢献していないから、トイレに行く時間も申し訳ないです」って。

それはおかしいから行けよって話なんですけど、それくらいSHOWROOMでバリュー出したいとか、僕の顔に泥を塗れないとか、強い思いで、頑張ってくれている。

こんな感じで、それぞれがなんで入ってきたかとか、入った後どうだったかという「ストーリー」を話せるメンバーばっかりで。エピソードベースで僕が嬉々として語れるメンバーばっかりなんですよね。

文=小縣拓馬 提供元=Venture Navi powered by ドリームインキュベータ

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