0歳からの「お金の話」


それ以外にも、イベントサークルによる詐欺もある。キャンパスで話しかけてきて、「複数の大学から学生が参加しているイベントサークルで、週末にみんなで登山に行ったり、スポーツをしませんか?」と誘ってくる。特にお金もかからないし、友人が増えるからいいかと思い参加すると、はじめのうちは普通に週末をみんなで遊んで過ごすだけのようだ。

しかし、そのうち、入会費を求められたり、イベントやセミナーに参加するための費用を求められたりする。金銭を要求するまでに、それなりの時間をかけて人間関係を構築することから、なかなか断りづらい環境になり、1回あたりの金額もそこまで高くないことから、ついつい払ってしまう。

ある程度、お金を払うと今度は運営側に周ることを提案され、自分と同じように誰かを勧誘するたびに、その人が払ったイベント参加費などの一部がもらえるという。まさに、ねずみ講そのものだ。

正しいお金の知識だけが自分を守る

大学生にもなると、一部の学生は資産運用に興味を持ち始める。最近だと暗号資産(仮想通貨)に興味を持つ学生も多いが、つみたてNISAを活用して投資信託に投資をしたり、または昔ながらの個別株への投資をしたがる学生もいる。日本における金融教育といえば、まさにこのような投資や資産運用を指すことが多い。これらは「攻めの金融教育」といえるだろう。つまり、積極的にお金を投資して増やすための知識を得るということだ。

一方で、攻めがあれば守りもあるべきで、筆者はこの両輪をバランスよく教えることこそが、真の金融教育だと考えている。

それでは、「守りの金融教育」とは何か。1つはこれらの詐欺から身を守るための知識を付けることだろう。

詐欺師は近づいてくるときは、とてもいい人として接触してくる。違和感すら覚える笑顔とともに、甘い言葉ばかりを吐いてくる。ほとんどの人は悪い気はしないだろう。しかし、その笑顔と言葉の裏には、一刻も早くお金を奪おうとする悪意が潜んでいる。

最近の詐欺は非常に巧妙に構成されているため、多少の知識をつけても騙されかねない。そこで重要なのは、この世の真理を胸に刻んでおくことだ。この世の真理とは何か。それは「おいしい話はない」ということだ。

最近筆者の所に相談が寄せられた詐欺のケースでは、「月利20%を保証する」というものであった。本当にそんな投資案件があるのなら、筆者も投資したいものだが、当然ながらそのような「おいしい話」はない。日本の10年国債の利回りが0%を下回り、メガバンクの1年物定期預金の金利が0.01%。私たちの年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が運用で達成している直近10年間の年率リターンは5.05%。これらの数字をベースに考えれば、月利20%などという数字はあり得ない事はすぐに分かる。しかも、それを保証するというのだ。

どんなに巧妙な詐欺でも、提示してくるリターンを冷静に分析・判断できれば早々に引っ掛かることはない。成人になった皆さんには、ぜひお金の知識を身に付けて、自己防衛に努めてもらいたい。

連載:0歳からの「お金の話」
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文=森永康平

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