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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」

カルロス・ゴーン(Getty Images)

12月31日、日産の元社長、カルロス・ゴーン被告による突然の声明に世界は驚きと怒りを隠せなかった。

日本にいるはずのゴーン被告は、「私は今、レバノンにいる。私は正義から逃れたわけではない。不公正と政治的迫害から逃れた」と発表。また、「日本の司法制度は基本的な人権を無視している」と批判した。同氏はどうやって脱出できたか、その詳細はまだわかっていない。

ゴーン氏の脱出は、アレクサンドル・デュマ作「モンテクリスト伯」の大脱走のような逃亡劇で、ハリウッド映画並みの策略とサスペンスに溢れている。「世紀の脱出王」の異名をもつハリー・フーディーニのようでもある。「逃亡者」や「パピヨン」などの有名な脱出映画よりも現実味があって、ハリウッドが絶対にこの事件を映画化したがるに違いない。すると気になるのは、誰がゴーン氏を演じるのか──。

しかし、あれだけ監視されていたにもかかわらず、彼はどうやって逃亡・出国できたのか。なぜフランスのパスポートを2部持っていたのか(常時携帯の義務があり、鍵のかかったケースに入れて持っていたというが)。 

レバノンのMTV局によると、12月29日の夜に、ゴーンは東京の自宅でホームコンサートが終わった直後に、楽器のケースに身を潜めてクルマで大阪まで行って飛行機で逃亡したと伝えていたが、1月3日のニュースでは、監視カメラの映像でゴーンはなんと29日のお昼頃、一人で家を出たと報道されている。

これから少しずつその真実が明らかになっていくだろう。まず1月2日には、国際刑事警察機構(インターポール)から、ゴーン被告の身柄拘束を求める「レッド・ノーティス」という国際逮捕手配書が出された。しかし、レバノンと日本には逃亡犯罪人の引き渡し条例がないため、彼はレバノンにいる限り自由に動けるようだ。

また同日の報道によると、トルコ当局がゴーン被告の不法出国に関連して拘束した7人のうち、4人はパイロットだったという。やはり、この事件は映画になるほどのネタが満載だ。

海外の反応は様々。アメリカのロサンゼルスタイムズ紙は5つの質問をあげている。

1つめは、彼はどうやって脱出したのか? 2つ目は、日本での反応はどうなっていて、安倍首相はどうコメントするのか。3つ目はゴーン被告はこれからどうするか? 4つ目は、彼の裁判はどうなっているのか? このままキャンセルされるのか? 5つ目は、ゴーン被告がいう『日本の不公正と政治的迫害』はどういう意味か? これで検察側は悪影響を受けるのか? といったものだ。

なお、ゴーン被告は日産を救ったヒーローだと思っているレバノンの市民にとって、同氏の脱出の選択は正しかったと同意している国民が多いそうだ。

文=ピーター・ライオン

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