小脳の損傷は、出生時に起きたものでも外傷を伴うけがによるものでも、動きや話し方の遅れやぎこちなさを引き起こすことがある。ミレンとハルディプルによると、この新たな研究はダンディ・ウォーカー症候群と小脳腫瘍(髄芽腫/ずいがしゅ)に特に影響を与える可能性があり、マウスがこうした研究においてもはや正確なモデルにならないということが示唆されているかもしれない。
ミレンとハルディプルは「私たちはこれまで、マウスが人間の発達と類似していると考え、マウスの発達に基づいてアイデアを発展させていた。これは大まかには合っているが、詳細部分が重要だ。私たちのデータからは、自分たちが理解していないものを真にモデル化することはできないことが示されている」と説明し、「調査結果からは、人間の脳の発達や病気を調査するため動物をモデルとして使用する場合は注意が必要だということが示されている」と述べた。
髄芽腫は小脳に影響を与える脳腫瘍で、子どもに見られる悪性脳腫瘍の間で最も一般的なものだ。ダンディ・ウォーカー症候群は小脳の形成に影響し、動作、動きの協調性、知能、気分、その他の神経系機能に問題を引き起こす可能性がある。この新たな調査は、2つの小脳関連病の一例として、この分野における今後の調査では全体像が明らかにされない可能性があること、他に解決策を求める必要があるかもしれないことを示唆している。
ミレンとハルディプルは「この情報が、髄芽腫を含め人間の小脳神経発達障害の根本原因について新たな見識をもたらすことを期待している。こうした情報を活用することで、より良い診断情報や、最終的には新たな治療法を提供することができるかもしれない」と述べた。