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I study technology disruption in individuals, companies and societies.

(Sjoerd van der Wal / by Getty Images)

厳密なテクノロジーの観点から言えば、テスラ車の所有者が最も驚くことは、操作感や性能、見た目ではない。こうした特徴は確かに懐疑的だった人々をも感心させ、最高のユーザーエクスペリエンスを実現する自動車としてのステータスを確立した。しかしそれよりも驚くべきことは、購入から時間のたった車がソフトウエアップグレードを通じて改良され続けるという、従来の自動車では決して得られなかった感覚だ。

テスラはこれまで、自動車業界のさまざまな欠陥を明らかにしてきた。まず挙げられるのが、ディーラーによる車販売の仕組みだ。車に何らかの問題が発生した場合に修理の責任を負うのは販売者であり、購入者はディーラーなどの顧客であって自動車メーカーそのものの顧客ではない。

車の購入前と購入後のユーザーエクスペリエンスは分離され、購入前は全てに関して魅力的な印象を与える一方で、購入後に起きたことはメーカーではなくもっぱら購入者が対処する問題であり、すべては修理やメンテナンスに関わるものとされる。

一方のテスラでは、顧客は単なる車を購入するのではなく、継続的にアップデートされるソフトウエアプラットフォームを購入する。アップデートにより、出力など車にとって最も重要とされる部分から、車の前方や周辺の状況の表示機能、ブレーキ調整、自動運転モードにおける車線変更方法など二次的とも言える部分にいたるまで、さまざまな面で運転時の体験が高められている。

こうしたアップグレードの中には、停車時にできる新たなゲームの追加やネットフリックス視聴など娯楽目的のものもあるが、大半はただのお飾りではない。これは、自動車のような製品にとっては完全に新しいユーザーエクスペリエンスだ。

自分の車が時間とともに改良されるとは、どういうことか? 私の所有するテスラ車は数カ月前の購入時と比べて加速やパフォーマンスが5%向上し、路上のコーンを認識できるようになり、ブレーキモードの自動切り替えや周囲の全車線の認識もできるようになった。また自動車線変更機能も大幅に改善された。そのほかの問題点についての解決策でも、非常に素晴らしいものがある。

編集=遠藤宗生

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