インポッシブル・バーガー、FDAの安全判断に批判も

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食品安全センターの異議

FDAは、遺伝子操作された大豆レグヘモグロビン(別名GMOヘム)を色素添加物として認可したが、公益と環境の保護を目的とする非営利組織である食品安全センター(CFS)は、その判断に異議を申し立てていた。また、CFSが最初に送った質問にFDAが返答する前から、インポッシブル・フーズが製品を食料品店で販売していることにも抗議していた。

CFSは以下のように述べている。「CFSは以下の理由から、GMO『ヘム』を新たな色素添加物として認可することに異議を申し立てる。

(1)FDAは、原産物や、遺伝子操作された酵母の試験を求めなかった。
(2)FDAの認可により、さらなる試験をおこなわずに、新たな細胞由来製品でGMO『ヘム』を使うことが可能になる。
(3)製品に適切な表示がなされていない。
(4)新たな色素添加物の認可に適用される『説得力のある証拠』の基準をFDAが満たしていない」

CFSの指摘によれば、遺伝子操作された大豆レグヘモグロビンの安全性を裏づける研究の論文著者には、インポッシブル・フーズに所属する研究者が含まれており、これは利益相反にあたるという。

FDAの反応

FDAはCFSの異議に対して、大豆レグヘモグロビンを色素添加物として使用しても安全な成分と見なし、色素添加物証明書免除リストに追加するとした判断を改めて是認した。

FDAの最終規則文書では、インポッシブル・フーズが大豆レグヘモグロビンの安全性の問題に取り組んでいること、酵母タンパク質は主要なアレルゲンではないこと、FDAによるさらなる調査は必要ないことが述べられている。これによりインポッシブル・フーズは、インポッシブル・バーガーの販売を続けられることになる。

翻訳=梅田智世 / ガリレオ

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