2010年代に広まった「最も怪しい」5つの健康法

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2010年代が間もなく終わろうとしている。こうした節目となる時期は、科学や健康、医学の分野における前進や問題点について、改めて考えてみるべきときでもあるだろう。

過去10年間には健康のために良いこととして、インターネット上に「疑似科学」に基づく情報があふれるようになった。それらのなかで、最も怪しいと考えらえるのは次の5つだ。

1. ワクチンを接種してはいけない

英国の医師だったアンドリュー・ウェイクフィールドが医学誌ランセットに「はしか・おたふく・風疹を予防する新三種混合(MMR)ワクチンの接種と自閉症に関連性がある」との研究結果を発表したのは、1988年。その後、研究自体が正しく行われたものではなかったことが明らかになり、同誌は掲載した論文を撤回した。

だが、「予防接種が自閉症の原因に」という誤った考えは野火のように急速に広まり、現在も続く反ワクチン運動につながった。著名人が事実であると誤解し、支持したことも影響したとされており、2000年代初めには子供にワクチンをまったく接種させない親が増加した。

だが、これが子どもの健康にとって良いことを示す証拠は一つもない。それどころか、世界各地で感染症の流行が拡大。サモアでは、はしかによる多数の死者が出ている。

2. ボトル入り飲料水がお勧め

ビタミンウォーター、アルカリイオン水、高濃度酸素水、複数の種類の電解水、何かからの抽出液を加えたエナジーウォーターは、見境なく種類が増え続けている。頭の回転が速くなる、落ち着く、エネルギーレベルや集中力が高まるなど、うたわれている効果もさまざまだ。

だが、これらの水が実際に私たちに与えてくれるのは、「軽くなった財布」と海洋汚染の悪化だ。環境保護団体ハビッツ・オブ・ウエイストによると、昨年中にこれらの飲料水に使用されたプラスチックボトルは米国だけでも500億本に上り、そのうちリサイクルされたものは10%に満たない。

また、水道水にかかる料金は1人年間およそ50セントだが、ボトル入り飲料水に費やされる金額は、同およそ1400ドル(約15万3000円)だという。これらの水が実際に健康面に違いをもたらすという証拠は、示されていない。
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編集=木内涼子

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