大手5社との熾烈な競争
しかし、Robert W. Baird & Co.のアナリストによると、この市場は大手5社(Keysight、Rohde & Schwarz、Tektronix、National Instruments、アンリツ)による寡占状態にあり、競争環境は厳しい。
大手5社の一部も、Liquid Instrumentsと同じく1つのデバイスで複数の計測ができる製品を提供しているため、同社は競合製品に匹敵する精度で計測ができることを証明して見せる必要がある。
「使いやすさというコンセプトと、高度な精度を同時に満たす製品を提供できるかがLiquid Instrumentsにとって勝負の分かれ目になるだろう」とInstrument & Measurement Societyのプレジデント、J. Max Cortnerは話す。
Wuchenichは、Moku:Labに搭載された半導体チップFGPAと、使いやすいソフトウェアによって競合製品と差別化を図りたい考えだ。彼女は、精度で他社に劣っても、価格の安さで競争力を維持できると考えている。
大手企業は、顧客と何十年にも渡る関係を築いており、Liquid Instrumentsのようなスタートアップがその牙城を崩すのは至難の業だ。しかし、空軍士官学校で電気工学科の責任者を務めるBrian Neff大佐は生徒のトレーニングにMoku:Labを使っており、Liquid Instrumentsを高く評価している。
「Liquid Instrumentsは今後、革新的なソリューションを提供する企業として成長していけるかもしれない」とNeffは話した。